最高裁、広島地裁に無期懲役刑を棄却

加害者が少年ということで、またかと思われた国民も多いはずだ。
昔から日本の刑法は加害者に甘く、被害者にとっては冷たいものだと批判されてきているが、今回の最高裁の判決は、こうした少年事件への厳罰化適応への岐路になると思われる。
最高裁無期懲役刑が棄却され広島高裁に差し戻されたということは、死刑判決になる可能性が極めて濃厚になったということ。

たいていこのような少年事件には死刑判決が出ず無期判決が出て、実際には7年ぐらいで出所してしまったりするものだが、今回は被害者の遺族である本村洋さん(30)の積極的かつ熱心な行動によって司法側を動かしたということなのだろう。

従来、犯罪被害者というものは苦境に立たされることが多かった。特に少年事件になると悲惨なもので加害者側の人権ばかりが守られ名前や写真が公表されないのに対して、被害者は顔や住まいはおろか交友関係まで洗い出され、メディアを通して全国にさらされることが多かった。

本村さんの熱意が司法を動かし、今後の少年事件への判断へ大きな影響を与えたのだと思う。

日本の裁判というものは時間がかかるもので、永山事件を参考にしても無期判決を棄却してから死刑判決が出るまで7年もかかっている。最高裁自ら、死刑判決を下して欲しかったという本村さんの言葉はもっともだと思うが、裁判官も自らの手で死刑判決を出すのに抵抗を示すということなのだろう。

今後の司法のあり方が問われる大きな岐路になった事件と言えよう。