院卒の就職

1998年3月まで、名古屋大学の研究生(無給の身分)として研究活動を続け
ましたが、学位の取得に至りませんでした。この年、学位取得を断念して退学し、
少なからず挫折感も経験しました。
 同年4月に地元札幌の、(株)創和「ラーメン専門店玄咲」に調理師見習いとし
て入社しました。ラーメン作りの修行にいそしみつつ、人生経験と人間関係の
幅を広げました。
 足かけ2年ほど調理の世界を体験させてもらい、1999年12月に、本書「生命
の肯定」の執筆に専念することを決意し、玄咲を退社しました。
 2002年1月に「生命の肯定」を文芸社から出版し、現在に至っております。

 大学の研究室を去るとき、漠然とですが、既に執筆の決意を固めていたように
思います。しかし本を書くためには、今までとは全く違う世界も経験しなければなら
ないと、本能的に感じていました。
 それでラーメン店に就職したのです。ラーメンの世界を選んだ理由は、私が調理
が嫌いでなかったのと、ラーメンがいちばん好きな食べ物だったこと。それとラー
メンを食べるとなぜか心が温かくなり、現代人の失ってしまった何かが、そこにある
ような気がしたからです。研究が行き詰まって殺伐とした気分になったときは、よく
ラーメンを食べて心をなごませていました。


http://www2.odn.ne.jp/seimei/writer_page.htm

大学院卒でも就職は厳しいのだな。