アメリカでも就職難

「メンフィスでは弁護士が人員過剰だという事実は、秘密でもなんでもない。
 ロースクール入学時にもきかされるし、この職業が供給超過になっているのは
 当地にかぎらず、全国どこでも事情はおなじだとも聞かされる。さらには、これから
 3年間のあいだには自殺者も出るだろうし、艱難辛苦(かんなんしんく)の末に
 司法試験をパスしたところで、就職先が見つからないこともある、という話も
 きかされる。そこで学校側が、あくまで好意から、クラスの3分の1を落第させること
 にしている、という噂もきかされる。そして、これはじっさいそのとおりだった。」

 これは、ジョン・グリシャム『原告側弁護人』(原題”THE RAINMAKER”)の一節である(45頁)。
 事務所の本棚に並んでいたので(ボス弁のか?)、手に取ってみたら実に面白く、読み進んでしまう。

「司法試験をパスしても、就職先が見つからない」というのは、アメリカでは常識のようだ。
 一方、日本もロースクールをつくり、毎年新規に3000人という法曹人口の急激な増加を
図ろうとしている。
 しかし、その受け入れ先というとお寒い話で、実際、今年就職予定の新規(司法修習61期)の
就職状況は厳しいと言われている。
 就職先を見つけられなかった新規参入者の行方は・・・
 いったい、これからの日本の司法はどうなってしまうのだろうか??
(グリシャムの同書を読みながら、徒然と考えていきたいと思います。)