築地市場の移転予定地、豊洲地区の汚染土壌総入れ替えへ

東京都築地市場の移転予定地である江東区豊洲地区の土壌汚染問題で、都が汚染対策の検討を委嘱している「専門家会議」は26日、予定地約37万4000平方メートルを地下2メートルまで掘り下げて土壌をすべて入れ替え、その上から2・5メートルの盛り土をすることを柱とした対策をまとめ、都に提出した。

 実現すれば、地表から4・5メートル下の土が新しくなる。

 投入される土の量は、東京ドームの約1・4杯分にあたる約170万立方メートルに上る見通しで、土壌汚染対策としては国内最大規模。

 都はこれを受け、具体的な工法の検討に入るが、当初の試算で約1300億円かかるとしていた費用について、効率的な工法を採用することで削減したいとしている。新市場の開場は予定の2013年から約3年遅れる見通し。

 予定地は東京ガスの工場跡地で、土壌と地下水から環境基準の4万3000倍にあたるベンゼンなどの有害化学物質が検出された。

 専門家会議は、この場所で住民が70年間生活しても健康面に影響が出ないことを基本に検討を進めた。その結果、予定地の土壌を地下2メートルまで入れ替え、その上に2・5メートルの高さまで新たに土を盛る必要があるとし、地表も厚さ25〜40センチのコンクリートアスファルトで舗装する。

 移転に反対する筑地市場の仲卸業者らは、土壌だけでなく予定地の地下水についても、「地震による液状化現象で地上に染み出す可能性がある」などと指摘している。これに対し、専門家会議は地下水を浄化したうえで、井戸を掘って継続的にくみ上げることで水位を地下4・5メートルより下に維持すれば、問題はないとしている。

 これに対し、築地市場の移転に反対する「市場を考える会」の山崎治雄代表幹事は「汚染対策を実行しても、予定地がきれいになるとは思えず、移転は絶対反対」と話している。

最終更新:7月26日21時12分