Rod Stewart

私のお気に入りのロッド・スチュワートのブレイク話。ロック界のスーパースターの象徴として君臨する超大物歌手ロッド・スチュワート。特に1970年代〜80年代にかけては凄まじかった。独特のハスキーで黒人張りのソウルフルな声にルックス、更にセクシーさ漂うオーラを持ち、かつ男気溢れている。まさにスーパースター。現在も活躍中。

そんな彼がデビューした1960年代中期は、一発屋ブリティッシュ・ビート全盛期。軽快なポップで薄っぺらく歌うのが主流の時代。当然ソウルフルに歌う彼が売れる筈もなく、数枚のシングルを残すも鳴かず飛ばず

そんな中、1968年にある天才と出会う。ジェフ・ベック(三大ギタリストの一人でいまだバリバリ)。ベックはヤードバーズでも活躍し既に有名であった。二人は意気投合し、Jeff Beck Groupを結成。1968年〜69年までに二枚のアルバムをリリース。その時のジェフ・ベックとミッキー・モスト(プロデューサー)の会話。

「ロッドは大した奴じゃないな…あのダミ声が好かない」(モスト)。「あんた分からないのか?あいつはとんでもないスターになるぜ!」(ベック)。実際ベックはロッドを気に入っており、JBG解散後の新プロジェクトにロッドを是非とも欲しがっていた(断念したが)。

その後ロッドはベックの予言通り、フェイセズを結成し、並行してソロでも活動し共にトップに立ち、スーパースターになっていった。また、JBGの『Truth』('68)は内容・セールス面も良く、レッド・ツェッペリンが1stアルバムに際しお手本にした程である。因みにロッドと同期でJBGにベースで参加し、またも同じくフェイセズに参加し(以降ギター)、その後ローリング・ストーンズに加入するロン・ウッドも素晴らしい。