ミックは凄い〜ロッド・スチュワート ライブ〜

ロック史上に名を残すボーカリストロッド・スチュワート(64歳)のライブ。到着したさいたまスーパーアリーナの周辺、盛り上がりとか緊張感が全くない。大体、人が少ない。持ち物検査もない、ゆるい雰囲気。場内に入ると空席が目立つ。お客さんをいれないスペースを設けてはいるものの、それにしても・・・。ガランとさびしい雰囲気すら漂っています。

そして、ライブ自体のコメントが難しいのです。正直に言います。これほど衰えを感じさせたロック・ボーカリストはいませんでした。ネットで検索すると、「ロッド最高」とのファンブログもありますが信じられない。ロッド、あんなものじゃなかったでしょう。「最高」ではないでしょう。

ミック・ジャガーの2歳、ロジャー・ダルトリーの1歳年下なのに、衰え方のスピードが明らかに違う。エルトン・ジョンよりは2歳年上ですが、エルトンとも全く違う。ミックがどれだけ節制してステージに臨んでいるのかがよくわかりました。ロッドは動きも声も年を感じさせます。スローな曲はいいのです、ミディアムテンポな曲もまだいいのです。アップテンポ、ロックンロールがつらい。シャウトできない、高音も出ない。体型は上半身太く、脚細しという欧米人のお年寄り体型になりつつある、動きも。場内のビジョンでもアップの表情は全く映しません。まあ、顔も体形も動きも老いには勝てないかもしれない。とにかく声に切れがないのが辛い。ロッドは声が財産だったのだからこそ。

もちろん、ロッドのライブですから知らない曲はないくらいのヒット曲、有名な曲だらけです。かつ、ロッドの声が聴けるだけでもよいという説もあります。コーラスやサックス、バイオリン等の女性バックプレイヤーのおかげでステージには華も添えられていましたし、ライブとして楽しむことが出来たのも事実なのですが。期待のし過ぎだったということなのでしょうか。

「老い」は仕方のないもの。「老い」たなりの味の出し方もあるのだとは思います。オーディエンスとしての味わい方もあるのだと思います。要は、ロッドがもはやロック・ボーカリストではなかったことに、寂しさを覚えているのです。ここ数年の彼の活動もそうでしたが、“ロッド・スチュワート、ロックを歌う夕べ”という感じのディナーショウを見た気分なのです。

前回、ロッドを見たのはちょうど30年前の79年3月。「DA YA THINK I’M SEXY」の大ヒットでのワールドツアーは、僕が見たライブでも10本の指に入るくらいの最高に楽しいロックンロールショウだったのです。今でも武道館1階スタンドから見たステージのロッドを思い出させるくらい、鮮烈な印象のものだったのです。あの時のロッドは34歳、今や64歳。年齢を考えれば、今日のライブは仕方ないと言えば仕方ないことなのですが。僕にとってのロックンローラーロッド・スチュワートの記憶は、79年のライブを大切にしていくことにします。

左:2009年ツアーのパンフ。右:1979年ツアーのパンフ。30年前のものは実に100ページにならんとする大作、パンフも最高の出来でした。


keitacsr at 23:59 │Comments(0) │TrackBack(0) │clip! │ライブ

やはり、、という印象ですな。
1988年のアウトオブオーダーの頃から声量の衰えが目立ちだし、エリザベス女王の戴冠50周年コンサートのときなどは、声が思ったように出ていないのがはっきり分かり、聴衆たちも完全に興ざめしていたのがよく分かった。1975年〜1985年くらいがもっともいい時代なのではないのかねぇ。特に1980年前後は映像、アルバム、CMどれを見ても素晴らしい。