田中角栄とは何だったのか。

彼に対する評価は、おそらく次の三つに集約されるでしょう。

・地元に貢献してくれた大先生
・小学校出で、総理にまでなった苦労人、庶民の星
・現在の利権政治の元祖である悪人

以上ではないでしょうか。

しかし、肝心な物が抜けてしまっています。
それは彼が、アメリカの属国である事を止め、独立国家として、自立した道を行こうとした事です。

日本は、そのエネルギーを輸入に頼っていて、欧米の石油メジャーに支配されています。
食糧の自給率も、50%以下で、輸入に頼り、穀物メジャーに支配されています。
田中角栄は、それらからの自立をしようとしていたのです。

東南アジアと関係を深め、エネルギーの独自ルートを造り、石油メジャーから独立する事が主な戦略だったようです。
その他、中国との国交正常化に尽くした事は良く知られる所です。
要するに、過去の脱亜入欧ではなく、脱米入亜です。(良い表現ではありませんが解りやすいので)

戦後しばらく、我が国の政権は、ほとんどアメリカの力で維持されてきました。その後も、それは強弱を変え続いていきます。
そうした中、彼は、土建の利権を背景に、のし上がってきた、独立系の権力であったのです。

そうした彼を排除するのに使われたのが、ロッキード疑獄です。彼を排除したいアメリカからのリークでした。

紆余曲折がありましたが、脳梗塞になった事もあり、失脚していきました。
アメリカに逆らうとどうなるか、政治家達は怯え、言いなりになりました。
建設利権から、こうして、アメリカの影響力から独立系の権力という良い面が無くなり、利権だけが残り、後は坂道を転げるように腐敗していきました。

これが真実なりと。