予備試験

今年度の司法試験では、法科大学院を修了しなくても、受験資格が得られる予備試験をパスした大学生26人が合格した。

 本来、経済的な事情で法科大学院に通えない人などを想定したルートだが、学生の人気ぶりに、資格予備校や大学も予備試験対策を始めている。

 法務省によると、昨年度の第1回予備試験受験者は6477人。うち大学生は2割(1218人)を占めた。最終合格者は116人(大学生40人)で、合格率1・8%の難関だが、予備試験自体には受験資格や回数の制限はない。

 「狭き門だからこそ、合格できれば優秀さの証明になり、法律事務所の就職で有利になるかもしれない」。今年、予備試験に初挑戦した早稲田大法学部2年の男子学生(19)は期待する。司法試験合格者は2008年度、2000人に達した後、頭打ちになった。一方、合格者の質低下や新人弁護士の就職難が、学生の法科大学院不信を深めている。

 今年の司法試験では、法科大学院修了生の合格率が平均25%に対して、予備試験を通った受験者の合格率は68%に上った。

資格予備校「伊藤塾」(東京)の佐藤修執行役員(45)は「予備試験の受験は難関法科大学院の入試準備にもなり、積極的に挑戦する価値があると受講生に話している」という。