代ゼミが模試廃止だって

全国27校舎のうち20校を閉鎖するなど縮小方針が明らかになった大手予備校「代々木ゼミナール」が、閉鎖校で生徒募集を停止する来年度から、全国規模の模擬試験を廃止することが25日、同校への取材で分かった。また来年1月の大学入試センター試験で、自己採点結果の集計・分析サービス「センターリサーチ」を実施しないことも判明した。模試やセンター試験の分析データは教育現場で受験生の進路決定の参考にされており、大きな影響を与えそうだ。

 代ゼミ広報企画部によると、全国27校舎のうち、仙台、大宮(埼玉県)、横浜、京都、神戸、小倉(福岡県)、熊本など20校を閉鎖対象としており、来春以降、閉鎖校舎で新たな生徒募集は行わない。これに合わせて、全国規模の模試の開催を取りやめる。

 廃止するのは、全国センター模試▽国公立2次・私大全国総合模試▽センター試験プレテスト−など。東大入試プレなど個別大学別志願者を対象にした模試は継続する方針だという。

 センターリサーチは無料で全国の受験生から大学入試センター試験の自己採点結果を集計し、数日間で分析した合格ラインを返却するサービス。昨年はセンター試験受験者の約8割に当たる約42万人が利用していた。

代ゼミ広報企画部は、「校舎の集約で全国的な実施や分析が困難になるほか、経費面の問題もある。生徒には、他の予備校が実施する同様のサービスを利用してもらうように促す」としている。

 教育情報会社「大学通信」の安田賢治常務取締役(58)は「全国展開の予備校ならではの、信頼度の高いレベル判定で生徒募集につなげてきたが、規模縮小で実施するメリットが失われたのだろう」と話している。