東京駅記念スイカに客殺到、大混乱で販売中止 飛び交う怒声、囲まれる駅員

産経新聞 12月20日(土)16時9分配信

JR東日本が東京駅開業100周年を記念し、20日午前に限定販売したIC乗車券Suica(スイカ)をめぐり、東京駅丸の内南口の窓口に購入希望者が殺到した問題で、同社は安全を確保するため約2時間半で販売を中止した。これを受け、買えなかった人が駅員に詰め寄るなど、駅周辺は大混乱となった。同社は「今後、改めて販売するが詳細は未定」としている。
 JR東日本東京支社などによると、限定販売予定だったのは赤れんがの駅舎をデザインしたスイカ1万5000枚。1枚2000円で1人3枚まで購入可能とした。

 希望者が多く、午前8時だった販売開始時間を前倒しし、7時14分から売り出したが、19日から並んだ人を含め、その時点で約9000人が列を作った。このため同支社は「想定外の数の人が来て危険」と判断し、9時40分に約8000枚で販売を打ち切った。

 購入できなかった人からは「納得いかない」「割り込みがあった」などと怒声が飛び交い、一時、100人以上が駅員を取り囲み、説明を求めた。混乱は3時間以上続いた。

 千葉県船橋市から始発電車で駆けつけたフリーターの西原博さん(40)は「禁止されていた徹夜組が購入でき、始発でやってきて寒い中きちんと待っていた人が買えないなんて納得できない。記念すべき100周年の日をぶち壊した」と怒りをあらわに。

 神奈川県鎌倉市の無職の女性(76)は客を誘導する駅員や警備員がいなかったことを批判した上で「JRはでたらめ。『客が混乱したから販売を中止した』とまるで自分たちのせいではない感じで許せない」と吐き捨てた。

 JR東日本東京支社は「ご購入予定だったお客様に大変ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした」とコメントした。
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