ずいぶんと生き強いな

60歳統合失調症のHさんの死亡の報告が入って来た。裏山の崖からの転落死と言う事であった。


登校拒否状態で東大に合格し、20歳で発症したが卒業し、7回再発・入院しながらも結婚し子供を生み育て、公務員を勤め上げた猛者だ。

「何時死んでも後悔しないように生きる」が彼の口癖だった。1回目の自殺企図は飛び降りで2回目が過量服薬。


3回目が8年前で、母親の死後、裏山の崖の上で、首吊りしたが枝が折れ、腰を痛打して「余りの痛さに死ぬ気が無くなった」とはその後の笑い話であったが、その時「今度やる時は崖から飛び降ります」、「事故に見せかけるようにするから家族や先生には迷惑かけません」と言っていたが、今回のその事故現場はその崖なので、まあ自殺は間違いないところだ。最終診察は2週間前で、特に変わった所はなかった。どうして僕の患者は僕に何も言わずに死んでしまうのか? まあ、何か言われても困るけど・・・さびしいな。ホント、僕は自殺には(も?)無力だなあ・・・