本質からずれる日本の社会運動-香山リカの奇行 --- 石井 孝明

アゴラ 1月13日(水)17時20分配信

香山リカさんという精神科医がいる。左翼文化人であったが、奇行を繰り返しメディアから消えた。そしてネットでまたおかしな行為が暴かれた。

10日に右派団体が行ったデモにまとわりつき、夜叉のような顔で、中指を立て(欧米での下品な攻撃的仕草だ)抗議をし、デモに向けて「バカ野郎、豚野郎、ウァー」と叫び続けていた。また映像全編を見ると、周辺の人の騒ぎも異常で、街の迷惑だ。私の愛する東京から、双方の団体は出て行ってほしい。

50才代の精神科医が大きな心の闇を抱え、何かに取り憑かれている。それに滑稽さと気の毒さを感じる。そして香山さんのこの行為をきっかけに、日本の社会運動の奇妙さを考えた。

何のための「デモへのデモ」か?

香山さんが狂乱したデモは「慰安婦問題での日韓合意を糾弾する国民大行進」というようだ。人種差別を掲げる政治団体在特会」の関係者がいた。私は差別に嫌悪感を抱くので、こうした集団はかかわりたくもない。彼らの行動を批判するのも当然だ。ただし今回のデモは差別がテーマではなさそうなので、その意見表明にけちをつけるのは政治的自由の侵害だ。

余談ながら、ドイツでは右翼の移民反対集会で、左派団体がベートーベンの交響曲第9番を流し、妨害したという。ここの「歓喜の歌」では詩人シラーの詩の一節「生きとし生くなる 人みな友ぞ汝が手の結ばん」と歌われている。中指を立てる日本の「ガラパゴスサヨク」との教養の違いに悲しくなる。(BBCニュース)