誰も書かない“業界の新車販売裏事情”!?^^;☆

【 誰も書かない業界の新車販売の裏話 】
さて、上の写真は現行モデルの新車スクーターSUZUKI・レッツ4です。
実はウチの店を借りてる不動産屋さんがスクータ−が欲しいと言うので
ウチにしては珍しく新車を売ってしまったのですよ。(^_^;)ヾ

こちらのお客さんは以前にもウチで新車のスクーターを買ってもらってますが
ウチの店では基本的にはあまり新車の販売に力を入れていません。^^;
むしろ「新車が欲しい!」と言うお客さんには『ヨソで買ってきてね!』と
冗談で言ってるくらいなんですよ。(^_^;)b

「店長、新車が売れて良かったじゃない!」と、思うかもしれませんが
実ははっきり言って新車を売っても全然嬉しくないんですよ!
それはなぜかと言えば利益(儲け)がないからなんです。

「ウソだぁ〜!新車って何十万円もするからホントは売ると儲かるんでしょ?」
って思ってる皆さん、それは違うんですよ!新車は儲かりません!

儲かるなら自分もジャンジャン売りますわ〜!d(^_^;)
ではなぜ、新車を売っても儲からないのかバイク業界の裏事情を
皆さんに暴露しましょう。(^_^;)/
( 書いたら業界から嫌がらせされるかもな〜!?^^; )


皆さんに馴染み深い国産バイク4メーカー
(HONDA・YAMAHA・SUZUKI・KAWASAKI)を
例に取るとメーカーの看板を上げている店はそれぞれのメーカーと
新車の販売店契約してます。
売店にも色々あって単一メーカーだけで取引してる店(専売店)もあれば
複数のメーカーと取引してる販売店(並売店)があるんです。
売店は基本的にHONDAだったらHONDAだけ、YAMAHAだったら
YAMAHAだけ。という感じで
他メーカーの新車は売らない(売ってはいけない)んです。
(※中古車ならば一応そういう“縛り”はありませんが。^^;)
売店は2つ以上のメーカーと販売契約してるのですがどこのメーカーにも
販売契約を結ぶにあたって年間販売台数契約(ノルマ)が
設定されてるんです。(^_^;)b
これはスクーターが何台以上とかスポーツバイクが何台とかがあって要は
「1年間に新車を最低何台は売って下さいよ。」という約束をしてるんです。


10年位前まではその年間販売契約台数(略して“年契”)というハードルは
そんなに高くなかったのですがこの10年の間で国内4メーカーの新車の
販売台数は年々減少して約23年前の最盛期に較べて昨年あたりでは
6分の1まで急激に落ち込んでしまったわけです。(^_^;)b

という事は人口は6分の1になったわけでもないのにバイクが売れなくなると
生産するメーカーもたくさん新車を売ってくれるお店とそうじゃないお店と
同じ商品でもマージン(車両の利益)で差を付けるんです。

「それじゃたくさん売ってるお店は儲かってるんじゃん!」と思った方、
実はそうじゃないんですよ!話は更に続きますから。(^_^)b

バイク業界も煙草や書籍のように定価(メーカー希望小売価格)で売ってれば
そこそこ儲けは出るんですが台数をたくさん売ろうとする店は更に販売台数を
増やそうとメーカーが出したマージンを大幅値引きに使ってしまうわけです。
買うお客さんにしてみれば大きく値引きを(安く)してくれるお店に行きます。
他店より台数を売る為に値引きをすればそれだけお店の利益は当然減ります。

メーカーは製品をたくさん売ってくれる店には(マージンで)優遇します。
するとあまり売れないお店との値引きの格差が生まれます。
当然、そうなるとメーカーに対して不公平感が出て来たわけです。
そこでメーカーはたくさん売るお店でもそうでないお店でも車両の利益は同じ
一律マージン制という制度を打ち出したのです。
そうしないとどのバイク屋(販売店)さんも“売る努力”はしてるのに、


たくさん売るお店=(メーカーにとって)いい取引先であまり売れないお店=あまり嬉しくない取引先


というランクをつけてしまうわけですから。(ーー;)


ところがいくらメーカーの方が一律マージン制を打ち出してもそのマージンを全部値引きに当てる大型量販店が出てきたのです。(^_^;)もちろん日本は資本主義国家ですのでメーカーから仕入れた物を買った販売店がいくらで売ろうが(儲けがなくても)構わないのですが仕入れ価格ギリギリまで値引きをすればお客さんはそっちへ流れてしまい、値引きがあまり出来ないお店は売れなくなってしまうと販売台数が落ちこんで
メーカーとの年契が達成出来なくなるわけです。
メーカーも昔と違って新車がたくさん売れない時代ですから販売店に頑張って売ってもらわないと困りますから年契が達成出来ない販売店やメーカーの販売政策にそぐわない(中古ばかり売るとか他メーカーを売る)
お店とは販売契約を打ち切ってしまうわけです。
(皆さんの住んでる所でも辞めてしまったバイク屋さんはありませんか?^^;)

たくさん売るお店が“1人勝ち”のように思う方もいるかもしれませんが
たくさん売るお店には更に高いハードルがメーカーから用意されます。
そこでまた“販売店の生き残り競争”が始まるというわけです。(ーー;)b
その生き残り競走に勝つ為にまた別のお店と値引き競争をするから新車を売っても儲からないというわけです。(+_+)
(ねっ?嘆かわしい話しだと思いませんか?^^;)

新車1台ごとが儲からなければを台数を売るしかない。(薄利多売)
台数を売らなければメーカーと取引が出来なくなる。(経営危機)
今の時代、新車を販売してるお店はそういう不安を抱えてるわけです。
バイク屋さんもやってる人は人間ですからちゃんと生活出来るくらいの儲けをお客さんから頂けないようでは何の為に働いてるかわかりませんからね。


そうすると自然に儲けの少ない新車を売るより利益が出せる中古車に販売の力を入れなくてはバイク屋さんも成り立たなくなってくるのですよ。


ちなみにウチの店は自分が独立した時からメーカーと販売契約をしません。
独立当初はメーカーと取引したかったのも事実ですが止めました。
それはなぜかといえばメーカーの政策や方針に乗せられて
ただ数だけ売る事に疑問を持っていたからなのです。

自分は薄い利益でメーカーとの契約ランクを下げないようにただひたすら販売台数のみを追っかけてせっかく新車を買ってくれたお客さんとのお付き合いよりも次から次へと新しいお客さんにだけ目を向けなければやって行けないバイク屋って本来のバイク屋の姿ではない!と思ったのです。
それはただのメーカーの為の“物量販店”です。


ここ数年でメーカーとの取引を販売店自ら止めたお店もいくつもあります。
5月にオークション会場で自分に声を掛けてきた某メーカー系の販売店の社長さんと話す機会があったのですがその社長さんがこう言ったのです。
「○社と取引を止めたんだよ。でも(縛りもなくなって)楽になったよ。」
長年某メーカーと取引をしてきて実績を作ってきたその社長さんがですよ。


そしてここに皆さんに知ってもらいたいもう1つの事実あるのですが自分が独立して店を持ってから自分の後輩達も何人か育って自分の店を持ちましたが誰一人メーカーと取引してません。
(※メーカーも今は新規で販売店を募っていないのも事実ですが。)
なぜだかわかるでしょうか?(^_^;)b
それは取引してもメリットがないからなのです。
それよりもみんな自分の個性を出せる店作りを
したいからなんですよ。(^_^)b

自分が理想とするバイク屋さんの姿は1人1人のお客さんを大切にしてどこでバイクを新車でも中古でも買ってきても修理で面倒を見てあげたり時にはお客さんに自分のバイクを自分で直せるようにに教えたりその後のお付き合いの中で中古車を欲しいから探して欲しいとか、新車が欲しいからどうしてもここで買いたいと言ってくれるようなお客さんとバイク屋の店主の関係が持てるようなバイク屋です。(^_^)ヾ


なるほど、だから赤男爵なのか。