夜行で釧路に着く

まりもに乗って釧路駅に朝5時過ぎに到着する。

ホームとホームを結ぶ地下通路で息を吐くと、息が白い!!
早朝とはいえ、東京だったら考えられない話。

ノロッコ号に乗って釧路湿原に行き、タンチョウを見る予定。

まず、みどりの窓口に行き、ノロッコ号の指定席券を購入。
その後、30分ほど、その場でこの2日間どうするのか、思案していたがあまり長いするのも
なんなので、駅の待合室で時間をつぶすことにする。

何かにおう。そう浮浪者だ。
こんな田舎にもホームレスがいるのか・・。
よく見てみると、似たようなのがチラホラと。
不快になって駅構内をうろつく。

あまりにも早く着き過ぎた。
駅構内をうろつくが、ミスドは朝7時からでそのほかはガラーンとしている。
外は一面の霧だ。凄い凄い!
こんな町全体に霧がかかっているのを見たことがない!
まったく市内の様子がわからん。てか外をうろつけん。
今にも降りそうだし、これは……。

駅構内の観光案内所に行き、この天候だとノロッコ号はオススメ出来ないみたいなことを聞く。タンチョウは冬に飛来するので、夏にはそもそもいないのではないかと指摘される。
後は、タンチョウセンターにでも行くしかないみたいなことを言われる。

7時半、ミスタードーナツに入る。やっと快適な環境に落ち着くことが出来た。

ふと横には20代韓国人カップルが。
どこに行くのかもめているらしい。そして盛んに人の横でチュウをする。
見ているこっちが恥ずかしくなるぐらいだ。

時間もたっぷりあることだし、今のうちに今夜泊まる宿を見ておこうと釧路市街地に出かける。本当に霧が凄い。自分は町全体にこんな霧がかかっているのをみたことがない。
大通りをひたすら歩いていくが何となく街全体が寂れているような気がする。

大通りを左折、その後、公園脇を右に曲がりうらぶれた飲み屋街を進んでいき、あたりを探すとあった!!

「うわぁぁぁ・・・・・」「ヤダー、ここに泊まるの。ありえない」「キャンセルだ、キャンセル」というぐらいにうらぶれすぎのビジネスホテル(笑)
はっきり言って、ここまでひどいのは今までなかった。イタコの変な民宿でさえ、ここまでではなかった。

さっそく親に電話。当日キャンセル出来るかどうか調べてもらう。
当日キャンセルは料金100%のキャンセル料がかかるとのこと。
しかも他の東横インだとかのホテルはすべて埋まっている。

「仕方ないのかー」「仕方ないよー」
とのことで渋々、駅に戻る。途中、キレイで大きな東横インを見て、ここが良かったなぁと思う。途中、ベスト電器なんかもあるが一階部分しかないの。それだけ需要が少ないということなのだろう。

駅に戻っても、相変わらずの濃霧。この天候でノロッコ号は走るのか?!
10時過ぎ、ノロッコ号が運転されることがアナウンスされる。

あまり気が進まないが、他に行くところもなし。寂れた釧路のイメージとは異なってノロッコ号の中は熱気でムンムン。この日は年寄りが多い。濃霧で視界ゼロに近い中をノロッコ号は走ります。ほとんど何も見えません(笑)

駅は塘路に到着。ほとんどの人は駅前で待つ観光バスにそのまま接続して、あっという間にあたりには人影がいなくなってしまいました。

さっそく駅前にあるお店でレンタサイクルを借りることに。
バイクが小さくて自分の身長に合わない。
お店のお姉ちゃんに心配されながら、1人誰もいない道を走り抜ける!

まずは展望台に行ってみることにした。途中、湖はあるそうだが霧が凄くてまるで見えない!5分ほどこぎ続けると、展望台の入り口が。看板には置き引きに注意とか書いてあるので、こんなところでチャリを奪われてはかなわんと思い、うえに担いでいくことにする。

途中、親世代の夫婦と出会う。おばさんが気さくに話しかけてきた。
「下に置いて来ればいいのにー」と言われたが、事情を話すと納得され、この先長いと忠告を受ける。15分ほど上って展望台についたが見事に何も見えない。
1人だし、雨だし、むなしい・・・。

サクサクっと下りてもうひとつの展望台に行くことにする。
北海道はクルマがないとダメなのを痛感したのはこの後だ。

デジカメで撮った画像を見てもらえばわかるが、道が舗装されていない。昔、南米かどこかを日本のタクシーがニューヨークまで縦断していくというTV番組を見たことがある。その中に出てくる道がちょうどこんなカンジだった。穴ぼこだらけの水溜りだらけ。
自分以外に人はなく、動物はおろか鳥や虫たちの姿すら見えない。

ひたすらこぎ続ける。ふと停止して、あまりの異様な雰囲気に気がつく。
そう音がまったくしないのだ。車の音すらしない。聞こえるのは心臓の鼓動の音と、虫除けのファンがクルクルまわる音。そして川近くに行くと釧路川の流れる音がするだけ。

怖くなって飛ばしまくる。それでも20分〜30分に一度はクルマが猛スピードで通り過ぎていく。みな、物珍しそうにこちらを見てくる。そら、そうだろ。こんなところ1人で走っているのだから。

しかし、行けども行けども展望台にはちっとも着かない。
ここでまた怖くなってきた。こんなとこで暗くなったり、事件事故に巻き込まれたら、誰も助けてくれないぞ??そこで英断を下した。戻ることにしたのだ。
あまりにも怖すぎる。

戻るのも一苦労だったが、駅前に無事到着。途中。舗装されている国道とぶつかったときはどれだけホッとしたことか。
電車が来るまですることがないので、駅前にいるシカに草をあげたり、民家につながれているポニーを見たりして時間をつぶす。かなりむなしい。自分は1人でこんなところで何をしているのかと思ったね。

釧路には15時すぎに戻ってきた。湿原で降られて濡れていたので、これ以上どこかへ行く気にはなれなかった。駅構内の古本屋でアウターゾーンの1巻〜3巻を一冊10円で購入し、宿に向かうことにする。

とりあえず何か食べたい。夕飯まで持ちそうにない。しかし何もない駅前だなー。
大通りを歩いていくが、あまり入りたくなるような店が見当たらない。
午前中、下見に来たときに通った商店街の周囲で何かいい店がないかと探していると、デパートがあった「ヴェ?こんな飲み屋街の真ん中に突然?!」、「丸井今井?東京にある丸井とは違うのか?!」。
入店してさらに驚いた。今までつぶれそうなところは色々と見てきましたが、ここは凄い。

まず、一階の化粧品売り場。リュックなんかしょって明らかに客ではなさそうな自分に対してまで「いらっしゃいませ〜」と愛想よく挨拶してくる。とりあえず最上階のレストランまでエスカレータを乗り継いでいったが、どのフロアも2、3人しか客がいない。にも関わらず、どのフロアにも余剰店員と言わんばかりに人がいる。
さらに7階のレストラン街に行って、驚いた。
一軒のレストランと隣で個展を開いている以外は何もないじゃん。
設置してある公衆電話で話しているおばさんがいる以外は客っぽい人は見かけない。
実はついたての向こうに客のおじさんが一人いたのだが。
周囲をウロチョロしても何もなさそうなので、腹を据えてここでカレーを注文することにする。
よっぽど客が来ないのか、パートのおばちゃん達は奥でワイワイ騒いでいる。
唯一、そこだけ活気がある(笑)
やっと自分の存在に気づいたようだ。レジで食券を購入し、席につく。
どこでもお好きなところへどうぞと言われた。カレーが出てくるまでアウターゾーンを読むことにする。
しかし、気味の悪いぐらい静かで活気のないデパートだ。
静まり返った湿原での出来事と言い、街全体の活気のなさと言い、街全体が霧に覆われていることと言い、自分が本当にアウターゾーンに入ってしまったかのようだ・・。(笑)
しばらくしてカレーが出て来た。はっきり言えば、まずい。味そのものよりも、カレー自体が冷えている。モソモソと食べて丸井今井をあとにする。


釧路プラザホテル。
外見を見てショックを受ける。
正直ここに泊まるのはイヤだが、やむを得ないのでここに入ることにする。
時間は15時過ぎだったか。。
3階の受付には、高卒で働く元ヤンキー姉ちゃんみたいな人がおり、そこでチェックインの手続きをする。部屋に入ってまた驚かされた。ネットには一昔前に部屋みたいなことが書かれていたが、トンデモナイ。2昔前、昭和40、50年代という感じだ。もちろんこんなボロイホテルは初めて。相変わらず外は霧で真っ白。アダルト放送は無料で見られるのは吉。
アウターゾーンを読んでいるうちに本当に自分がアウターゾーンにいる感が強くなる。(苦笑)

風呂