また外圧かよ、乙


東京駅復元、着工9か月延期…米クレームで競争入札

約500億円を投じ東京駅の駅舎を開業時の姿に復元する工事について、JR東日本が当初、随意契約で発注しようとしたところ、「外国企業も参加できる一般競争入札にすべきだ」という内容のクレームを米国がつけ、着工が9か月間延期されていたことがわかった。
 JR東が、世界貿易機関WTO)の「政府調達に関する協定」の対象リストに入っていることが米側主張の根拠。JR東は「完全民営化を果たしており政府機関ではないのに」としながらも、紛争化の恐れがあるとして、泣く泣く競争入札に切り替えた。

 空襲によって部分的に焼失した丸の内駅舎(国の重要文化財)を、1914年(大正3年)当時の3階建て、丸いドーム型屋根の姿に復元する工事は、当初、国内業者と随意契約を結び、今年4月に着工する予定だった。

 しかし今年はじめ、「米企業が工事に関心を持っている」という米側の意向が外交筋から伝えられた。JR東は「随意契約でも工費を絞り込んでおり、一般競争入札の方がコストも手間もかかる」と反発したが、米側が政府に異議を申し立てると、紛争が長引く恐れがあるため一般入札に切り替えた。

 入札は年末に行われ、着工は9か月遅れの来年1月になる予定。今年3月に休業した東京ステーションホテルの再開も、当初の2010年度中から「2011年度中」に変更された。

(2006年8月2日14時30分 読売新聞)