こんな人も

つい先日、勤務先を逃げ出しました。
私は慶応文出身なのですが、仕事のできない奴として有名でした。
最初は職場の人達とうまくやっていたのですが、私の駄目さ加減が
明らかになるにつれて次第に周りの人達の態度は冷ややかなものに
なっていきました。ある日私は同じようなミスを連続して犯してしまいました。
どうすればいいのかわからずうろたえるばかりの私に
同僚がやってきて言いました。
「ねぇ、どうすればそんなことできるの?慶応ってそんなに
馬鹿なの?ねぇ、ねぇ!!?」
私を責め立てる同僚の顔には以前仲良くしていた頃の面影は
まったくありませんでした。
もう仕事に行くことが苦痛でした。朝が来るのが怖くて、夜中に何度も
目が覚めました。仕事に行く時間が迫ってきて布団から起きると膝が震えて
止めりません。重い足を引きずって無理矢理職場に通う日々・・・。
もう、満足に会話を交わしてくれる人など皆無でした。私が職場に姿を現すと
何か煩わしい生き物を見るような視線が突き刺さるようでした。
「死にたいなぁ・・・」
そんな声に頭の中が支配されていきました。このままでは、危ないと思い
逃げるように職場を去りました。今は貯金で何とか食いつないでいますが
もう、恐ろしくて働く気になれません。自分は不要だという思いが拭えないのです。