Question

高校3年生の男です。私は今クラス内から嫌われいじめを受けています。いじめが始まったのは高2の冬で、3年生になると陰口を言われるようになり、次第にひぼう・中傷へと変わり日に日にエスカレートしていきました。出席日数も減り、今は卒業もやばい状態です。そもそもクラスのみんなとは仲良く楽しい高校生活を送っていましたが、高2の夏にクラスの友人と警察沙汰の事件をおこしてしまい、次第に友人が私をシカトするようになりました。 主ないじめの内容は、「嘘」などに関わる中傷です。私に「あいつは嘘つき」「ホラ吹き」「先生、このクラスに狼少年います」、たまに「ストーカー」と言われています。そして次に隠していた嫌な過去の思い出を平気でクラスの人たちに言っています。しかも私に聞こえるように。また「あいつ何しにきたの?」「死んだら?」「精神的にあいつを殺す」などと言っています。もう死にたいです。どうしたらいいでしょう


Answer

「死んだら?」とか「精神的に殺す」とは、なんとひどいいじめでしょうか。憤りを覚えます。「もう死にたいです」というあなたの気持ち、こちらにジンジン伝わってきます。高2の冬から、ほぼもう一年近くも続いているのですから。よくぞ危険な学校に、休みつつも通っていましたね。本当に辛かったことと思います。

 ところで、この問題をどう考え、いかに対応すべきか一緒に考えましょう。

 まず、第一にいじめは、いじめる側が100%悪いということ。これをはっきりと確認しておきましょう。あなたが「反省」しているような弱点は、高校生なら誰しも、多かれ少なかれ持っているものです。大人だって、もちろん私だって同じです。完璧な人間なんてこの世の中にはいません。欠点人間だらけです。でも、そのことを持っていじめをしてもいいとか、嫌がらせが認められるような社会になったら大変なこと。世の中いじめだらけで、少しも楽しくなくなります。不幸です。だから、欠点があることや、間違いをしてしまったことと、いじめをしてもよいこととは全く脈絡がないのです。小学生なら未熟ですから、わからないわけではありません。が、高校生にもなってそのような卑劣な行為に走ってしまうのは、加害者側がいかに幼稚であるかという証明に他なりません。恥ずかしいのは相手側です。

 ですから、今の辛さといじめの不当さについて、一番話しやすい、話のわかってくれそうな先生に話しましょう。相談するのです。その際一番大切なのは、いじめ行為をしっかり止めさせてほしいことを訴えるのです。同時に、その保障がない限り、学校には行くべきではありません。傷つき疲れるばかりですから、家の人にも話して、安全な家にいることです。そんな危険地帯に顔を出す必要はありません。卒業の件も、いじめが原因なわけですから「自宅学習」扱いなど工夫してもらいましょう。その責任が学校にはあります。

 学校が頼りにならない時は、身近な大人に話し、一緒に今のような方向で動いてもらいましょう。

おぎ・なおき 東京都内の中高教諭、東京大教育学部講師などを経て、1994年4月から臨床教育研究所「虹」所長。教育臨床学が専門。「子どもの危機をどう見るか」(岩波新書)、「子どもの目線」(弘文堂)など著書多数。