校内で行われる犯罪

今日,またT市のある中学の荒れを聞いた。中学の荒れとは,一部非行生徒によって,他の生徒や時に先生に対して,それほど大きくはないが,継続的で無数の暴行,恐喝,強要,窃盗,器物損壊,喫煙,授業妨害,無礼などが行われることを意味する。いったんそうなると,先生にも,生徒にもストレスがかかる。非行生徒は,一般の生徒を何やかや呼び出しては殴る。いや呼び出すどころかすれちがいざまに殴ったりもする。体育などで生徒のいない教室や教官室に進入して金を盗む。校舎の陰や道端で,金貸してくれと恐喝する。窓から牛乳瓶を投げ,他の生徒や先生の車に当たったりする。授業はもちろんサボり,与えられた(笑)空き教室などに陣取り,煙草を吸ったり,次のおもしろそうな犯罪を相談したりする。退屈しのぎに,家族などの縁でヤバくないと思う生徒たちにケンカや万引きを強要する。もちろん非行生徒が一人で行動することはまずない。集団でつるんで,校舎のあちこちで,暴行し,恐喝し,強要し,窃盗し,器物損壊し,喫煙する。調子が出てくれば,授業中の生徒でも,暴行や恐喝の獲物として呼び出しかねない。注意した教師に「お前,誰に口きいてんねん」などとほざきかねない。
 特にナイーブな先生やナイーブな生徒は「今はこんなに悲しくて 涙も枯れはてて もう二度と笑顔には なれそうもないけど」という状態になり,心身症になったり,自殺したり,ひきこもりになったりし始める。荒れた中学の現場にいる先生や生徒にはとてつもないストレスがかかるのである。
 普通の学外の人間は,一体なんで,こんな犯罪の巣窟になっているのか,なんで,こういう犯罪者が捕らえられずにうろちょろしているのか不思議だと思う。だが,いずれにせよこれが荒れた中学の現実なのである。
 常識的に言って,こういう非行少年たちの中心的な者は捕らえて長期隔離すべきである。放置すればナイーブな先生や生徒は倒れる,無法地帯に生きさせられる生徒たちは怯えながら生きる。中には無法に伝染する者も数多く現れる。何もいいことはない。なのに,放置され続ける。 何が問題なのか?中学での犯罪は教育問題とみなされ,先生の指導と非行中学生の服従によって解決することになっている。で,服従しない暴力的な生徒が現れた時が問題なのである。マスメディアの多くは,そして犯罪者人権派のキャスターたちは,この指導と服従の関係が成立しなくなった場面を想定できないのである。あるいは俺なら服従させてみせると思い上がっているのかも知れないが,久米宏さんでも,小倉智昭さんでも,噂に聞く大物(笑)非行少年を相手にすればまず通用しないと思う。いや文部省も同じである。指導と服従という建て前が今やあちこちで崩れているのに,事勿れ主義であくまで建て前を維持しようとして警察官介入をなるべく回避しようとしている。

http://www.jttk.zaq.ne.jp/baags702/kasou057.html