二審も賠償命令 岡山・作陽高集団暴行

岡山県津山市の作陽高校の寮で集団暴行され、心身に障害が残ったとして、姫路市の元生徒(31)が同校を運営する学校法人作陽学園倉敷市)を相手取り、約五千万円の損害賠償を求めた控訴審判決で、大阪高裁(若林諒裁判長)は五日、学園側の安全配慮義務違反を指摘した一審判決を支持し、同学園に約二千八百万円の支払いを命じた。

 判決によると、元生徒は一九九一年四月、「桃山寮」(現在は閉鎖)に入寮。同年五月下旬から七月上旬にかけて、夜中に寮内で、上級生から集団暴行などを受け、左ひじの曲げ伸ばしが困難になる後遺症のほか、精神的苦痛を受けた。

 昨年七月の神戸地裁姫路支部判決が「閉鎖的な寮では、学校以上の安全配慮が必要」と指摘した点について、若林裁判長は「さらに、学園側には注意義務違反もある」とし、寮内のいじめを防げなかった学園側の不法行為を認めた。

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)については、一審同様「直接の因果関係はないが、後遺症による精神的苦痛を受けたのは明らか」とした。

 判決後、原告の元生徒は「今回の判決が、同様のいじめの再発防止につながれば」と話した。同学園は「判決の内容を見て、今後の対応を検討したい」としている。