「浪人1年は100万相当」 交通事故で受験できず

平成16年に試験を逃して浪人したのは直前の交通事故のせいだったなどとして、東京都内の私立大1年の男性(21)が、事故当事者の運転手とその運送会社(宮城県石巻市)に約577万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が仙台地裁であった。小野洋一裁判官は「事故で受験ができず、浪人生活を余儀なくされたことで被った精神的苦痛は100万円に相当する」として、運転手と運送会社に、慰謝料100万円に加え、入院費用など計約340万円の賠償を命じた。

 男性は「受験していれば進学して就職していた」として、就職が1年遅れた分の賠償も求めていたが、小野裁判官は、男性が17年と18年にも受験して浪人した点を指摘。「(受験しても)入れるところに入っていたとはいえない。就職の遅れと事故との相当な因果関係は認められない」と請求を退けた。

 判決によると、男性は16年1月5日未明に宮城県岩沼市でトラックにはねられ入院。同月17日の大学センター試験を受験できなかった。