地方公務員の給与は高い

全国の都道府県と政令指定都市に勤務する地方公務員が国家公務員よりも平均で10%以上高い給与をもらっていることが26日、財務省財政制度等審議会財務相の諮問機関)に提出した資料から明らかになった。地方財政の悪化が指摘される一方で、人件費の削減にメスを入れない自治体が多く、地方の改革意識が問われそうだ。

 財務省の新指数は、国家公務員の給与を100とした場合に地方がどの程度かを示す総務省の指数を見直したもの。比較条件に従来の「年齢」「学歴」だけでなく、課長職や部長職など「ポスト」の要素も加え、国・地方の公務員同士の給与を比較した。

 昨年4月1日時点では、都道府県・政令市の平均は111.5。都道府県は平均108.7だった。最高は京都府の120.5で最低は北海道の98.8。政令市の平均は120.5と全市で国の水準を上回った。

 これに対し、総務省がこれまで示してきた指数では、都道府県の平均は99.5。政令市では100.0と国家公務員と同じか低い水準。「地方の水準が高い」と主張する財務省に対し、地方自治体を所管する総務省が「国と変わらない」と反論する論拠になっていた。データを提示された財政審の会合では、委員から「(データの)分析結果を生かし、しっかりと政策提案すべきだ」との意見が上がった。

 政府は国家公務員給与の引き上げを求めた平成19年度の人事院勧告の完全実施を10年ぶりに見送る方向だ。地方公務員の給与も勧告に連動する仕組みになっている。総務省は「民間と比較すれば給与水準の高い職種もある。国の判断を何でも押し付けられてはたまったものではない」と不満をあらわにする。

 財務省は「地方公務員の給与は引き下げ余地がまだある」とみており、新指数を突破口に地方自治体に対して、給与水準の改善を迫る構えだ。