予備校の儲けのカラクリ
受験予備校に受講料を支払って、講座を申し込むとします。普通はこれで支払いが終了すると思いますよね。ところがこの受講料以外に、結構出費を強いられるんです。
まず、講義の初回に 「 問題集を買ってください 」などという営業攻勢を、講師から間違いなく受けます。
金儲けのことしか考えていない受験予備校になる
と、「今なら他の科目を申し込むと受講料が安くなり
ます」 と言って、勉強を始めたばりの受講生からさら
に搾取しようとするのです。
よくあるのが、毎年2月ごろから始まる、別料金の
答案練習会や特別講義。講師は必ず「合格に必要
なので、絶対に受けてください」 と言って強烈な営
業攻勢をしてきます。その言葉に騙 (だま) され、
数万円もする講座に多くの受講生は、大事なお金
をつぎ込んでいるのです。
もちろん、受験予備校の講師が言っている「 合格
のために必要 」 というのは、儲けるための決まり文
句であり、本当に必要だからすすめているわけでは
ないんですよね。
講師が、何でそんなに一生懸命すすめるかという
と、営業ノルマが課せられているからなのです。
ノルマを達成しないと、正社員の講師はボーナスは
減ってしまうし、非常勤講師は、時給が下がったり、
契約更新をしてもらえなくなってしまうのです。
受講生の合格のために、別料金の講座をすすめて
いるのではないのですよ。
一番困るのは、受験予備校や講師を信じて無駄な
ことをたくさんやってしまう、受講生が多いということ。
はっきり言って、受験予備校に踊らされて、貴重なお
金を無駄につぎこんでいる受験生というのは、本当
に多いんです。
私が、都内の受験予備校で答案練習会を担当して
いたとき、その問題の質の低さに 「 この問題をやる
より、自宅で過去問をやったほうが、比較にならない
くらい有意義です 」 と本音を言おうか、真剣に悩み
ましたよ。
受講料を支払った後に、必要のない問題集を買いな
さい、特別講座を受けなさいと、追加的に出費を強い
る営業方法について、皆さんはどう思います?
受験予備校は、最初に支払う受講料で、支払いは終
わりだと申込者に思わせておきます。そして、申し込ん
だ後に 「 あれを買いなさい、これを買いなさい 」 とすす
めてくる。結局は、すごく高い買い物をすることになる。
大金をつぎ込んで、途中で挫折していった税理士の学習
者を、私は何人も見てきました。
それにしても、受験予備校の営業手法は、なんと巧妙
なのか。とても教育産業とは思えない…。その実情を
知ったとき、私は本当にそう思いましたよ。
私が永田簿記塾を立ち上げたときに、このような
ズルい営業手法は絶対に取らない、と心に誓った。
そして、実際に一切していないのです。
2級修了者コースは9,500円ですが、これ以外に支
払ってもらうものは一切ないんです。ただ、過去問題だ
けは書店で買ってもらうことになるけれど。でも、それだ
け。
残念なことに、この受験予備校の儲け (もうけ) の
カラクリにひっかかって、試験に受からない人が多い
のは事実なのです。