「正社員の求人はたくさんある」と言う輩はハローワークへ行ったことのない奴だと思う。

2ちゃんねるなどの掲示板サイトの派遣問題に関するスレッドでよく目にする書き込みが「正社員の求人はたくさんある」「なんで、正社員の求人があるのに、派遣するの?」「派遣に登録する奴がバカ」などというのをよく目にする。
 彼らはハローワークへ行ったことがないのだろうか?
 今までの経験以外の職種に転職したい場合、ほとんどは書類選考、部分的に言えば職務経歴で判断されるため、「実務未経験」で落とされるケースが非常に多い。資格や実務並みに経験したことを職務経歴書に書いておいても人事担当はほぼ見ていない。それは書類選考が通って、面接に行って人事担当の質問の仕方・内容でよくわかるはずだ。


 これでは、いくらこちらが書類選考でアピールしても人事担当が目を通していなければ全く意味がない。逆に言えば年中求人を出している企業は、応募者のアピールを流しすぎているか、離職者が非常に多いかのどちらかのケースを抱えているのではないだろうか?

 正社員の求人があっても、人事担当や経営者の気に入った人間で無い限り内定を貰うことは難しく、これが就職難、人材難を生み出しているように思える。
 正社員になれない人たちは生きるためには非正規雇用を選ばざるを得なくなってくる。直接雇用のパート、アルバイトでさえ、「20年前の正社員採用」と同水準の選抜が行われる時代だ。契約、パート、アルバイトでも人事担当が気に入らなければ採用されない。
 
 直接雇用がままならない人たちは派遣へ流れざるを得なくなる。
 派遣にも4種類ほどあり、「特定派遣社員」「紹介予定派遣」「一般派遣社員」「派遣アルバイト」です。

特定派遣社員
 技術系の派遣会社が「正社員」として採用し、取引先企業に常駐する形で派遣される形態です。昔からあり、大企業から設計を請け負っていた「設計会社」が取引先企業の都合に合わせて正社員を派遣して常駐で設計の仕事をしたのが始まりです。
 最近ではプログラマー関連の職業に多い形態です。仕事的には派遣ですが、給与は正社員と同じで、賞与が出ます。非常に高い専門知識を求められます。

◇紹介予定派遣
 取引先への正社員採用を前提に派遣される派遣社員です。派遣期間終了後、双方の同意により正社員なるかどうかが決まります。企業も労働者もミスマッチを無くす事が出来るいいシステムですが、残念ながら、最初から「正社員採用」で釣って、派遣期間で契約終了させる企業が多いようです。また、正社員に採用されるには職種によってはかなり高度な知識や技術を要求されるようです。

◇一般派遣社員
 派遣会社に雇われ、給料などは派遣会社で管理、業務は派遣先に従う働き方です。仕事は正社員並みに要求されるケースがありますが、給料はマージンなどを差し引いた分が支払われるため、正社員に比べ、少ないです。また、当然賞与はありません。だいたい3ヶ月〜3年が派遣期間ですが、取引先企業の都合で雇い止めをされることがあります。

◇派遣アルバイト
 いわゆる「日雇い派遣」です。様々な職種で利用されていますが、最近では危険な湾岸業務にまで利用されたことから「日雇い派遣」原則禁止になる流れに傾いています。派遣会社が高率のマージンを取り、雇用保険に入ることが出来ませんが、Wワークには向いています。

 派遣と言ってもかなり内容が違ってきます。