義務教育を廃止

かくして、正義の一角はもろくも崩れる。学校になど来なくとも、「保健室登校」に終始していようとも、とにかく全員が卒業できる。「正直者が馬鹿を見る」とまでは言わないが、少なくとも公平、公正が貫かれている状況ではない。こんな事で、子供を健全に育てる事ができるものであろうか。

最近の中学校には、相当荒廃している学校もある。教師の手ではどうする事もできず、保護者が全校を巡視しているケースも見られる。
  実は、現在の公立中学校には、内部に非行集団が発生し、乱暴狼籍の限りを尽くしているような状況でも、これに加える制裁手段が全くないのである。義務教育だから、退学にも停学にもできない。殴ったりすれば、「体罰」という事で大騒ぎになる。一部の少年は、学校には何の対抗手段もなく、自分たちは何をやっても、先ず絶対に処罰される事はないという事を確信して、非行を繰り返している。結局教師の間には無力感が漂い、「何もしなければいいんだろう。何もしなければ」と行った気分が漂い易いのである。