謎の昏睡強盗「声優のアイコ」の正体は… 普段は男装、性同一性障害か

睡眠薬で男性会社員(23)を眠らせた上で、現金などを奪ったとして警視庁捜査1課に昏睡強盗容疑で7日に逮捕された無職、神(じん)いっき容疑者(30)=東京都杉並区。神容疑者は「声優のアイコ」と名乗って同様の犯行を繰り返していた疑いが持たれている。一部で「女装男」説も出ていたが、同容疑者は女性という。謎の昏睡強盗犯の正体は−。

 同課によると、神容疑者は、今年2月27日、JR荻窪駅北口で声を掛けられた杉並区の男性会社員の自宅で、男性に睡眠薬を飲ませて眠らせた上、室内から現金2万円や腕時計10点など(時価計35万円相当)を奪った疑いがある。

 この事件以外でも「声優のアイコ」を名乗った同じような手口での被害が都内で相次いでおり、捜査当局は4月にコンビニ店で買い物をする「アイコ」の画像を公開し、その行方を追っていた。

 捜査当局は、駅や繁華街での見当たり捜査などによって得た情報を元に、杉並区内の居住先をキャッチ。7日午後、同区内の福祉事務所に生活保護費の受け取りに現れたところを強襲し、身柄を確保した。

 一体、何者なのか。

「公開された画像などから一時は『女装した男ではないか』との見方も出ていたが、性別上は紛れもなく女。性同一性障害を抱えているとされ、普段は男装をしていた。恋愛対象も自分と同じ女性で、いわゆる『おなべ』だ」(捜査関係者)

 インターネット上には本人のものとみられるブログが残されており、そこで自らの性同一性障害をカミングアウトしている。

 ブログの中では「ikki」と自称。《今まで、鬱病パニック障害、解離、アル中(中略)10年間、やっかいな友達でした》《何度も死にかけました》などと波乱の半生を振り返っている。昨年1月の更新では、多くのゲイバーが立ち並ぶ都内有数のゲイタウン、新宿二丁目で飲酒したときの様子もつづっていた。

 神容疑者は「全く身に覚えがない」と容疑を否認。警視庁は今後、事件の詳しい背景について捜査を進める方針だ。