現行受験生がロースクールについて思う

新司法試験の合格率については、各予備校を中心に、早い時期から「実際には2〜3割だろう」と検証されていました。全法科大学院ロースクールの入学者数と、新司法試験での合格者の目安としている数があらかじめわかっているのですから、合格率が2〜3割になることは、当然に予測がつくはず。
その程度の調査もせずに、法科大学院ロースクールを卒業すれば法曹になれるんだと期待だけ抱いて信じていること自体が甘いと思います。

また、現行司法試験の合格率は3%前後です。それに比べれば、新司法試験の合格率は約10倍です。合格率が高いのですから、少しでも他の人より多く勉強すれば合格できる可能性は高いのです。
2〜3割という合格率は、たしかに7〜8割という合格率よりは相対的に低いですが、しかし絶対的には十分な合格率です。この合格率で、試験としての合格率が低いと文句をいう方がおかしいです。
もし、新司法試験に合格できなかったとしても、弁理士司法書士行政書士など他にも法曹と言われる職種はあります。司法試験にこだわらなくても、法曹への道は開かれているのです。

さらに、合格するために勉強するのは当たり前です。
特に、合格後はそれまで勉強で培った知識や考え方でメシを食っていくわけですから、勉強していることは合格することの何の理由付にもなりません。

しかも、法科大学院生、ロースクーラーの話を聞いたり、勉強を見る限り、彼ら・彼女らが勉強していると言う主張そのものに疑問を感じます。

私の受験生時代を振り返ってみると・・・
試験のない通常時は、朝9時半から夜9時まで、予備校の自習室で、ひたすら勉強。繰り返し繰り返し、自分の本やノートを読んで理解して覚える。10冊以上の教科書やテキストの内容を正確に頭に焼き付ける。あと六法も。もちろん、土日の休みなんかありませんでした。
試験直前期には朝7時半から8時半まで予備校の早起き特訓講座を受けた後、夜9時まで同じ生活。その後、家でも、毎晩1本論文を書いてから寝てました。予備校への往復の電車の中では過去問をひたすら解く。
こんな勉強を3年半続け、下手すると、一日中、誰とも言葉を交わさない日もありました。
これは何も私一人が特殊なわけではなく、私の周りで短期間で合格した仲間たちは皆同じような勉強法でした。

こうした勉強を継続した結果、1冊の基本書を3時間もあれば一回しできるようになりましたし、どこに何が書いてあるかは本を見なくてもスラスラ言えるようになりました。
択一の過去問は1科目を1日で回せますし、問題を見た瞬間に答えと理由が言えるようになります。

現在の法科大学院生、ロースクーラーの勉強を聞く限り、私の受験生時代と同じくらい勉強している人の話を聞いたことがありません。一体、大丈夫なのか、心配です。