学校内で犯罪を容認しすぎ

この度、三学期に起きた、残念な出来事を、二件ご報告しなければなりません。 一件目は、中学三年生が校外で起こした万引き事件です。 既に、昨年10月、中学三年生が広範囲にわたって万引きをしているという噂がありました。事態を重く受け止めた中三学年会の先生方は、真相究明に努めましたが、具体的な証拠、手掛かりを得られず、止むなく、11月1日付文書で中学三年生全体に、次いで、11月11日の保護者懇談会で、生徒の「モラル低下」への注意を喚起するという一般的な形で、事態を訴えました。事態が明らかになったのは、今年1月に、渋谷警察署に学園が呼び出しを受けてからです。また、万引きをした生徒の保護者の方の自発的なご協力があってからです。
その結果、中三学年会が把握できた限りでも20数名の者が、コンビニエンスストアの商品や書店のマンガ本、楽器店のCDなど、それぞれ一人が一回から二十回もの犯行に及んでいることが判明しました。動機は、鬱屈した気持ちを晴らすためとか、友人、あるいは、他の者がしているのを見て簡単に盗めると分かったからとか、仲間はずれにならないため、仲間の中でのステイタスを得るためとか、いろいろです。言うまでもなく、動機はなんであれ、また、どのようなささやかなものであれ、万引きは犯罪であり、悪です。万引きを犯した生徒には、それは、人間として犯してはならない恥ずべき行為であることを心底自覚するまで、自宅謹慎・校内謹慎を含めて徹底した指導を行いました。
しかし、今回の事態が明らかになっていく過程で痛感させられたことがありました。それは、先ず第一に、私たち教員は、調べるのに限界があるということです。校外で起こした問題は、内密に処理された場合、事態を打開する手立てが閉ざされるということです。これは、一人の人間の成長にとっても、また、麻布学園全体の評価においても、決して良い結果を生みません。万一ご子息が不祥事を起こした場合は、是非学園にご連絡ください。この万引きは、他の学年にも及んでいます。事態はここまできています。
誤ちは正さなければなりません。どうか皆様、信頼に充ちた学園にするために、ご協力ください。よろしくお願いします。

もう一件、現在学園を挙げて取り組んでいる問題があります。それは、生徒が、近隣の方々へ迷惑をかけていることです。路上での食べ歩き、ゴミ捨て等もありますが、その最たるものは、喫煙です。兼がね教員の見回りなども強化していましたが、最近、近所の空き家に入って喫煙し、火災の危険を心配されて厳しい抗議を受けました。
近隣の方々、地域社会に受け入れられない学校は、最悪の学校となります。ご家庭におかれましても、ご子息の日常のマナーにも注意を喚起され、特に喫煙は、厳に止めさせる ようご指導お願いいたします。 保護者の皆様と力を合わせて、真に明るい学園を築いていきたいと思っています。