合格体験記−福島聖仁さん

•横須賀高校出身
理工学部
•2014年度入学
•一般入試(一浪)

慶應義塾大学の受験を決めた時期】

高校1年生の夏

【受験学部、結果】

●現役

経済学部、理工学部総合政策学部環境情報学部 …不合格

●一浪

理工学部総合政策学部環境情報学部 …合格

経済学部 …不合格

慶應義塾大学に決めた理由、慶應野球部の魅力】

慶應義塾大学は私立でナンバーワンの大学であり、行けるなら慶應に行きたいという気持ちがありました。また、両親ともに慶應なので慶應に対してとても強い思い入れをもっていました。
慶應野球部は様々なレベルの選手を抱えているのにも関わらず、全員が同じ目標に向かって熱心に努力しているところが非常に魅力的で刺激的です。

【特に力を入れていた科目】

理工学部の配点は英語150、数学150、物理100、化学100ですのでなるべくこの配分で勉強できるといいと思います。僕の場合は数学がとても苦手だったので数学に特に力を入れました。
理工学部の場合、数学の勉強をしっかりしておけば物理や化学につながる部分がたくさんあると思います。

【意識していた勉強法】

●英語

英語は単語を完璧にすることと、文法を完璧にする以外ないと思います。
理系なので英語については詳しく言えませんが、慶應理工学部の英語に限っては長文の能力というより、文法と語彙力の勝負だと思います。特にどの参考書が良いかなどはわかりませんが僕は『ターゲット1900』と『ターゲット1000』で単語、熟語をやり、文法は『ネクストステージ』を使っていました。

●数学

理工学部の鬼門は数学だと思います。理工学部の問題は英語能力では差がつかないように英語を難しめに作っている印象を受けます。やはり差がつくのは数学だと思います。
数学は穴埋め問題がほとんどですが、記述式にも対応できる力が必要です。
穴埋め式の怖いところは解き方があってても、計算ミスなどで答えを間違えると途中点がもらえないところです。ここが慶應の怖いところです。
僕の勝手な考えですが、慶應義塾大学理工学部の数学は計算力の勝負です。計算力を見る問題が非常に多いです。それを穴埋めで出すのでなかなか正解になりません。よって普段から、計算を間違えないことを意識して勉強に取り組むべきです。計算ミスだからいいやではなくて、計算ミスが一番最悪な間違えの仕方だという認識を持ってください。僕の場合計算ミスをしたらその日の勉強を切り上げるというようにプレッシャーをかけていました笑

計算ミスを減らすコツはまず、解き方を順を追ってわかりやすく書くことです。要するに、計算用紙の使い方です。答えが出たときに、この問題の解き方の始まりと終わりがわからないと見直すときに非常に困ります笑

まずはじめにこういうことをして、こういう式が立って計算するとこういう答えが出るというのをしっかり書いてください。そうすれば見直したときに、初めから見ていってどこが間違っているかすぐわかります。逆に、計算用紙がごちゃごちゃしている人は計算ミスをする人です。
計算ミスは誰でもしますが、差が出るのは計算ミスを防ぐために何をしているかです。気をつけて計算するのは当たり前です。
検算することや、不安なら見直すということを必ず行ってください。

慶應の問題だと答えが出てすごく不安になることがあります。
こんな汚い数字が答えでいいのか?と思うこともあります。
しかし、しっかりと計算して、検算してあっていればそれが答えなのです。
数学の勉強法としては、まず『チャート式』のような辞書のように分厚い基本的な参考書を片っ端から完璧にすることです。


僕は、本質の解法というものを数学1A・2B・3C全てやった後、『大学への数学』(一対一対応)をやりました。特に、『大学への数学』は素晴らしい参考書だと思います。


そのあとに過去問をやり、できなかった分野はまた一から参考書でやり、確認をしてまた過去問をやるといった繰り返しをしていました。

●物理

物理は式を立てるまでが勝負です。
これは化学にも共通して言えますが、式を立てられればあとは中学生でも計算できるのが物理と化学です。逆に式を立ててもなかなか答えにたどり着かないのが数学だと思います。
慶應の物理はリード文(誘導)がついていてとても解きやすいと思います。入試ではいかにうまく誘導に乗れるかというのが鍵になってくると思います。また物理はなるべく早めに終わらせて余らせた時間を化学に使うということも意識するポイントの一つです。物理の勉強法はとにかく基本原理を理解することにあると思います。

例えば、力学の土台にあるものは全て運動方程式です。エネルギー保存の式や運動量保存の式も全て運動方程式から導かれます。もちろん電磁気についても同じことが言えます。
もちろん、運動方程式からエネルギー保存の式や運動量保存の式を導くのは高校レベルの勉強では非常に難しいと思いますが、なるべくそれを理解することが成績の飛躍につながると思います。

主に使っていた参考書は、『微積で解いて得する物理』、『新物理入門』、『物理重要問題集』です。

●化学

理系で唯一暗記教科と呼べるのが化学です。なので数学や物理が得意でも化学が苦手だという人が多いと思います。しかし、僕は化学は得意でした。

当たり前のことですが、受験の世界では暗記すれば解けるという問題で点数を落とすというのは致命的失敗です。暗記の一問と思考を凝らして答える一問の配点にさほど差はありません。なので暗記では落としたら負けだと思ってください。

慶應の化学の最大の特徴は時間が足りないことです笑
本当に時間が足りません。
化学だけで1時間半はかかるだろうという問題量の多さです。
そこで、どの問題が簡単でどの問題が難しいかを見極めて簡単な問題からとっていくという能力が鍵を握るような気がします。

無機化学
僕は無機化学は語呂合わせで全て覚えました。語呂合わせを使えば無機化学の範囲を1日で覚え切ることも、可能です笑
無機化学でオススメの参考書は東進ブックスの化学?のセンター対策用の物がとても役に立ちました。

有機化学
有機化学はとにかく書きまくるしかありません笑
官能基などは名前の由来などを調べてみると覚えやすいかもしれませんが、それ以外は意味不明です笑
しかし、とにかく書いて覚えるうちに、この反応だとこうなるというのがわかってきます。例えば、脱水反応だと水が取れるや、アセチル化すると、、みたいなものがわかってくると思います。とにかく書きまくって覚えてください。笑

理論化学
理論化学はとても難しいと思います。有機や無機と違い、暗記ではないし、問題もとても考えさせる問題が多いです。
また問題を一つ解くにもとても手間がかかり計算が煩わしいです。
ただし、化学の本質を理解するには理論化学を理解しないといけません。理論化学では、どういう方程式を立てるのかということを意識して勉強してください。基本的に理論化学ではmolについての方程式を立てることが非常に多いです。
そこに着目してみると、いままで公式だと思っていたものが実はmolについて等式を立てただけだったというように、理解が深まると思います。

主に使っていた参考書は『理系標準問題集』、『化学の新研究』です。
『化学の新研究』は受験化学の全てが書いてあります笑

もちろんとても分厚いので全て覚えるのは不可能ですが、暇なときや勉強に疲れたときに読んでみるといいかもしれません。

【平均勉強時間】

集中した密度の濃い10時間

【アドバイス

自分がどの大学に行きたいのかをはっきりさせることが大学合格への近道だと思います。

僕の場合は理工学部に行きたいという気持ちもありましたが、慶應義塾大学に行きたいという気持ちの方が強かったため小論文も勉強していました。
私立の理系大学で、理科2科目を必要とするのは慶應と早稲田のみなので、本当に慶應に行きたいという気持ちが強く、現役でもう残り時間が少なく間に合いそうにないのであれば理科を諦めて総合政策や環境情報や経済、商学部を目指すという方が慶應に入る確率は高まると思います。
また、大学に進学してからも理系は授業の数が多く、テストや実験なども大変なので理工学部に入りながら野球をするというのは非常に大変だと思います。

ただし、僕の場合は、どうしても慶應義塾大学理工学部に行き、かつ、野球がしたいという強い気持ちがありました。
その強い気持ちがあれば、理科が他の私立大学と違って2科目だとしても、大学に入って授業やテストが大変だとしても、何事も可能だと思います。
なので、慶應義塾大学理工学部を目指すのであれば、自分の他の道、逃げ道を断ち、覚悟を決めて勉強することだと思います。それが他の道、要するに総合政策学部環境情報学部や経済学部の受験につながると思います。

【受験時代に意識していたこと(息抜きやリラックス方法、めりはりのつけ方など)】

受験時代に意識していたことの1つにバランス、割合があります。
僕個人の考えですが、何事もバランスが大事だと思っています。勉強ばかりしていても、野球ばかりしていても、遊んでばかりいてもだめだと思います。
もちろん受験期に遊ぶのはどうかと思うという人もいるとは思いますが、自分の適性バランスを見極め勉強と野球と遊びがどのくらいの比率だとうまく行きやすいかを見極めてください。もちろん受験期なので勉強に比重を置きましょう。
僕の場合は、勉強が7割、遊びが2割、野球が1割でした。
僕自身の反省としてはもう少し、野球の比率を上げるべきだったと思っています。
しかし、バランスがしっかり取れると勉強への気持ちの乗り方がすごく良くなると思います。

もう1つは人にやらされるような勉強はしないということです。浪人という道は自分で選択した道なのだという認識が非常に大切です。浪人を選択したということはすなわち浪人期間の1年、そして大学4年間でもしっかりと勉強することをその時点で決めたことになります。
勉強をやらされている時点で浪人したことが間違っているのでやめべきです。浪人という道を自分で選択し、自ら進んで勉強しているという意識がとても大切です。そうすれば自ずと結果は着いてくると思います。

【受験生に伝えたいこと】

慶應に行きたい、慶應義塾大学理工学部に行きたいという強い気持ちを持つことです。受験は他人との競争に見えますが、本当は自分との勝負です。
もちろん他人に勝つことのできない人間が自分に勝つことはできません。
逆を言えば、自分に勝つことができる人間は、他人に勝つことができます!
最後まで諦めず、慶應という高い壁を越えてやるという強い気持ちで頑張ってください!必ず結果はついてきます!

とにかく成功するやつに共通しているのが
1.受験校を早期に決め
2.参考書の選び方が上手く、かつ厳選しており
3.切り替えが早く、10時間程度の集中勉強に耐えられること