水野「京都大学原子炉実験所助教小出裕章さんです。小出さん、こんばんは」

小出「はい、こんばんは」

水野「よろしくお願いします」

小出「よろしくお願いします」

水野「そして東京に近藤さんがいらっしゃいます。」

近藤「あ、よろしくお願いしま〜す」

小出「はい、近藤さん、よろしくお願いします」

近藤「どうもー」

水野「え…小出さん、再稼動への動き…と並行してなんでしょうか」

小出「はい」

水野「3.11以前の原子力の状況に戻そうという動きがいろいろ目立ってるように思います」

小出「はい」

水野「え…まずですね、福井県にあります美浜原発2号機」

小出「はい(苦笑)」

水野「これは7月に運転40年を迎えるんですよね。」

小出「42年になります」

水野「あ、42年になるんですか」

小出「はい。はい」

水野「はあ……。で、一応民主党が言ってるのは原発の寿命を原則40年としようと」

▼民自公“廃炉40年”見直しも NHKニュース


小出「はい。はい」

水野「そういう法案が国会で審議されているのですが。保安院は10年間延長することを了承したそうです」

東京新聞:美浜2号機の10年延長提示 保安院:経済(TOKYO Web)


小出「はい」

水野「これ、どう受け取ったらいいんですか」

小出「…。まあ、ずいぶん長い間、日本というこの国では、国、政治、え…、企業、マスコミ、学者、等が一体になって原子力を進めてきました。自民党がずっとやってきた、わけですし。民主党にかわっても全く変わらない…ように私には、見えます。もうこの国…は、いわゆる政治の中枢にいる人達、あるいは経済を握っている人たちは、原子力から足を洗う気はさらさら無いということが、そ、少しずつまたわかってきているということだと思います。」

水野「今お話にでました自民党はですね」

小出「はい」

水野「この改正案についてなんて言ってるかといいますと」

小出「はい」

水野「ここへきて、原則40年で廃炉という案にさえもう反対だと」

小出「はい(苦笑)」

水野「いう声が出ているんだそうです。」

小出「はい」

水野「…あの(苦笑)」

小出「(苦笑)」

水野「改正案でもですね、原則40年だけど、例外的に20年延長を認めようというような、例外措置もついてるんですよね」

小出「はい。そうですね」

水野「60年まで行ける。」

小出「はい」

水野「しかしながら自民党はもう、原則40年で廃炉という(案に対して)、これも反対だと」

小出「はい」

水野「これはいかがですか…」

小出「まあ私から見れば呆れた人たちだと言うしかありません」

水野「これ中にね、細田官房長官…がこういうことをおっしゃっていまして」

小出「はい」

水野「部品は定期的に交換されており、40年経ったものを技術的に劣化しているとは断じがたい。まあ、交換してるんだから部品を、40年経っても大丈夫かもしれない。っていう意味だと思います」

小出「そうではないのです。」

水野「はい」

小出「たしかにそのポンプとか、え…弁とか配管とか交換できるところは交換してきたのですが。原子炉圧力容器という容器自身は、決して交換できない」

水野「決して交換できない」

小出「はい。それが原子炉の寿命を決めるということで、私たちは寿命はまあ40年60年ということでやってきた、のです。え…でも、寿命を伸ばせば伸ばすだけ、原子炉圧力容器という鋼鉄が、もろくなっていくということ自身はもう避ける事が出来ない…」

水野「はい」

小出「のです。なるべく早めに、ガラスのような状態になる前に、本来であれば止めるべき、なの、だと私は思います。」

小出裕章のわかりやすい解説 「原発寿命が40年以上に伸びる事情」と「玄海1号炉が約90度で原子炉がパリッと割れる脆性破壊の恐れ」 11/29 :ざまあみやがれい!


水野「ええ。しかしながら延長だと。いうようなね」

小出「はい」

水野「保安院の存在があるわけですが。え…今度もんじゅについて伺いたいと思います」

小出「はい」

水野「福井県にあります高速増殖炉もんじゅ、これあの、小出先生おっしゃってたみたいに、どんなに長いあいだお金をかけてやっても、うまくいかない」

小出「そうです」

水野「ということわかったんですよね」

小出「そうです」

水野「だからもう廃炉にしましょうという方向なんですよね」

小出「…いずれにしてもまあ長くは動かない、のですが。」

水野「保安院の存在があるわけですが。え…今度もんじゅについて伺いたいと思います」

小出「はい」

水野「福井県にあります高速増殖炉もんじゅ、これあの小出先生おっしゃってたみたいに、どんなに長いあいだお金をかけてやっても、うまくいかない」

小出「そうです」

水野「ということわかったんですね」

小出「そうです」

水野「だからもう廃炉にしましょうという方向なんですよね」

小出「…いずれにしてもまあ長くは動かない、のですが。」

水野「ええ、ええ」

小出「日本というこの国はまぁ、メンツというものがあるのかもしれませんし」

水野「メンツ」

小出「はい。1度でも動かしてしまいますと、超優秀な核兵器材料のプルトニウムが手に入りますので。とにかくなんとしてもやりたいのだと思います。」

水野「はあ。これ廃炉も含めて研究開発計画を見直すとされているはずなんですが。」

小出「はい」

水野「なんかですね、試験運転できるかもしれないその日のために備えて、日本原子力研究開発機構が、契約をプラントメーカーと1億円ほどで結んでいた…」

もんじゅ:試験計画1億円発注 存廃論議中に原子力機構− 毎日jp(毎日新聞)


廃炉も視野に研究開発計画の見直しが進められている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の試験運転再開が可能になった場合に備え、日本原子力研究開発機構が今年3月下旬、試験計画作成などの契約を計約1億円で複数のプラントメーカーと結んでいたことが分かった。東京電力福島第1原発事故後の原子力政策見直しに伴い、もんじゅの試験運転再開は今年度予算への計上が見送られたが、今回の契約は昨年度予算を使って駆け込みで行われていた。』

小出「ああ、はい(苦笑)。」

水野「試験計画を作成するなど、もう契約を結んでいたって話です。やる気満々ってことじゃないですか」

小出「ということですね。だいたいそんなことが許されること自身がおかしいと思いますけれども。勝手に契約までしてしまうという、まあ原子力ムラというものの体質なのだと思います」

水野「うーん。ではもう1つ。SPEEDIについて、なんですが。新しいことが分かって来ました。え…これは、事故すぐあとからですね、小出さんはみなさんの住民の避難のために公表するべきだとおっしゃっていたんですが」

小出「はい」

水野「実際には4月25日まで全容は明らかにされませんでした」

小出「はい」

水野「で、文部科学省のいいわけはですね、これはあくまで予測だから、現実とは違うんだ、だから当時の状況では公表しなかったのもしょうがないんだと。」

小出「はい」

水野「ということを言っていたんですが。」

小出「はい」

水野「ここへきまして。」

小出「はい」

水野「事故直後に、文部科学省は職員を派遣して、福島で放射線量を測定していたんですが」

小出「はい」

水野「その時、どこに行って測定したらいいかということを、SPEEDIに基づいて、職員に指示を与えていたんだそうです」

水野「京都大学原子炉実験所助教小出裕章さんです。小出さん、こんばんは」

小出「はい、こんばんは」

水野「よろしくお願いします」

小出「よろしくお願いします」

水野「そして東京に近藤さんがいらっしゃいます。」

近藤「あ、よろしくお願いしま〜す」

小出「はい、近藤さん、よろしくお願いします」

近藤「どうもー」

水野「え…小出さん、再稼動への動き…と並行してなんでしょうか」

小出「はい」

水野「3.11以前の原子力の状況に戻そうという動きがいろいろ目立ってるように思います」

小出「はい」

水野「え…まずですね、福井県にあります美浜原発2号機」

小出「はい(苦笑)」

水野「これは7月に運転40年を迎えるんですよね。」

小出「42年になります」

水野「あ、42年になるんですか」

小出「はい。はい」

水野「はあ……。で、一応民主党が言ってるのは原発の寿命を原則40年としようと」

▼民自公“廃炉40年”見直しも NHKニュース


小出「はい。はい」

水野「そういう法案が国会で審議されているのですが。保安院は10年間延長することを了承したそうです」

東京新聞:美浜2号機の10年延長提示 保安院:経済(TOKYO Web)


小出「はい」

水野「これ、どう受け取ったらいいんですか」

小出「…。まあ、ずいぶん長い間、日本というこの国では、国、政治、え…、企業、マスコミ、学者、等が一体になって原子力を進めてきました。自民党がずっとやってきた、わけですし。民主党にかわっても全く変わらない…ように私には、見えます。もうこの国…は、いわゆる政治の中枢にいる人達、あるいは経済を握っている人たちは、原子力から足を洗う気はさらさら無いということが、そ、少しずつまたわかってきているということだと思います。」

水野「今お話にでました自民党はですね」

小出「はい」

水野「この改正案についてなんて言ってるかといいますと」

小出「はい」

水野「ここへきて、原則40年で廃炉という案にさえもう反対だと」

小出「はい(苦笑)」

水野「いう声が出ているんだそうです。」

小出「はい」

水野「…あの(苦笑)」

小出「(苦笑)」

水野「改正案でもですね、原則40年だけど、例外的に20年延長を認めようというような、例外措置もついてるんですよね」

小出「はい。そうですね」

水野「60年まで行ける。」

小出「はい」

水野「しかしながら自民党はもう、原則40年で廃炉という(案に対して)、これも反対だと」

小出「はい」

水野「これはいかがですか…」

小出「まあ私から見れば呆れた人たちだと言うしかありません」

水野「これ中にね、細田官房長官…がこういうことをおっしゃっていまして」

小出「はい」

水野「部品は定期的に交換されており、40年経ったものを技術的に劣化しているとは断じがたい。まあ、交換してるんだから部品を、40年経っても大丈夫かもしれない。っていう意味だと思います」

小出「そうではないのです。」

水野「はい」

小出「たしかにそのポンプとか、え…弁とか配管とか交換できるところは交換してきたのですが。原子炉圧力容器という容器自身は、決して交換できない」

水野「決して交換できない」

小出「はい。それが原子炉の寿命を決めるということで、私たちは寿命はまあ40年60年ということでやってきた、のです。え…でも、寿命を伸ばせば伸ばすだけ、原子炉圧力容器という鋼鉄が、もろくなっていくということ自身はもう避ける事が出来ない…」

水野「はい」

小出「のです。なるべく早めに、ガラスのような状態になる前に、本来であれば止めるべき、なの、だと私は思います。」

小出裕章のわかりやすい解説 「原発寿命が40年以上に伸びる事情」と「玄海1号炉が約90度で原子炉がパリッと割れる脆性破壊の恐れ」 11/29 :ざまあみやがれい!


水野「ええ。しかしながら延長だと。いうようなね」

小出「はい」

水野「保安院の存在があるわけですが。え…今度もんじゅについて伺いたいと思います」

小出「はい」

水野「福井県にあります高速増殖炉もんじゅ、これあの、小出先生おっしゃってたみたいに、どんなに長いあいだお金をかけてやっても、うまくいかない」

小出「そうです」

水野「ということわかったんですよね」

小出「そうです」

水野「だからもう廃炉にしましょうという方向なんですよね」

小出「…いずれにしてもまあ長くは動かない、のですが。」

水野「保安院の存在があるわけですが。え…今度もんじゅについて伺いたいと思います」

小出「はい」

水野「福井県にあります高速増殖炉もんじゅ、これあの小出先生おっしゃってたみたいに、どんなに長いあいだお金をかけてやっても、うまくいかない」

小出「そうです」

水野「ということわかったんですね」

小出「そうです」

水野「だからもう廃炉にしましょうという方向なんですよね」

小出「…いずれにしてもまあ長くは動かない、のですが。」

水野「ええ、ええ」

小出「日本というこの国はまぁ、メンツというものがあるのかもしれませんし」

水野「メンツ」

小出「はい。1度でも動かしてしまいますと、超優秀な核兵器材料のプルトニウムが手に入りますので。とにかくなんとしてもやりたいのだと思います。」

水野「はあ。これ廃炉も含めて研究開発計画を見直すとされているはずなんですが。」

小出「はい」

水野「なんかですね、試験運転できるかもしれないその日のために備えて、日本原子力研究開発機構が、契約をプラントメーカーと1億円ほどで結んでいた…」

もんじゅ:試験計画1億円発注 存廃論議中に原子力機構− 毎日jp(毎日新聞)


廃炉も視野に研究開発計画の見直しが進められている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の試験運転再開が可能になった場合に備え、日本原子力研究開発機構が今年3月下旬、試験計画作成などの契約を計約1億円で複数のプラントメーカーと結んでいたことが分かった。東京電力福島第1原発事故後の原子力政策見直しに伴い、もんじゅの試験運転再開は今年度予算への計上が見送られたが、今回の契約は昨年度予算を使って駆け込みで行われていた。』

小出「ああ、はい(苦笑)。」

水野「試験計画を作成するなど、もう契約を結んでいたって話です。やる気満々ってことじゃないですか」

小出「ということですね。だいたいそんなことが許されること自身がおかしいと思いますけれども。勝手に契約までしてしまうという、まあ原子力ムラというものの体質なのだと思います」

水野「うーん。ではもう1つ。SPEEDIについて、なんですが。新しいことが分かって来ました。え…これは、事故すぐあとからですね、小出さんはみなさんの住民の避難のために公表するべきだとおっしゃっていたんですが」

小出「はい」

水野「実際には4月25日まで全容は明らかにされませんでした」

小出「はい」

水野「で、文部科学省のいいわけはですね、これはあくまで予測だから、現実とは違うんだ、だから当時の状況では公表しなかったのもしょうがないんだと。」

小出「はい」

水野「ということを言っていたんですが。」

小出「はい」

水野「ここへきまして。」

小出「はい」

水野「事故直後に、文部科学省は職員を派遣して、福島で放射線量を測定していたんですが」

小出「はい」

水野「その時、どこに行って測定したらいいかということを、SPEEDIに基づいて、職員に指示を与えていたんだそうです」

水野「うーん。ではもう1つ。SPEEDIについて、なんですが。新しいことが分かって来ました。え…これは、事故すぐあとからですね、小出さんはみなさんの住民の避難のために公表するべきだとおっしゃっていたんですが」

小出「はい」

水野「実際には4月25日まで全容は明らかにされませんでした」

小出「はい」

水野「で、文部科学省のいいわけですね、これはあくまで予測だから、現実とは違うんだ、だから当時の状況では公表しなかったのもしょうがないんだと。」

小出「はい」

水野「ということを言っていたんですが。」

小出「はい」

水野「ここへきまして。」

小出「はい」

水野「事故直後に、文部科学省が職員を派遣して、福島で放射線量を測定していたんですが」

小出「はい」

水野「その時、どこに行って測定したらいいかということを、SPEEDIに基づいて、職員に指示を与えていたんだそうです」

時事ドットコム:測定地選定にSPEEDI利用=原発事故時、非公表の一方で−文科省

小出「はい」

水野「つまりSPEEDIには意味があるということをわかってたんですよね」

小出「もちろんです。そのために、え…何年かな、もう30年近い歳月をかけて、開発してきたわけですし。もちろんあくまでも予測ですけれども。その予測を時々刻々やりながら住民を被曝から守るというそういうシステムだった、のです。え…SPEEDIの担当者たちは不眠不休で計算を続けていたはずですし。その結果はもちろん使えるはずの結果だった、し。実際に一部は使った」

水野「使ってたんですよね」

小出「はい。それでも住民には知らせないで隠したということです」

水野「ええ、そんなことがようやくわかってきた今なんですが」

小出「はい」

水野「近藤さん」

近藤「はい」

水野「もう再稼動へのこの道のりは止められないんですか」

近藤「うーん、なんかもう、逆戻りし始めたですね。僕あのこないだの大飯再稼動の、野田さんの、言葉にはもう本当に……。先生」

小出「はい」

近藤「あのう、僕の、これは直感なんですけどね」

小出「はい」

近藤「野田さん…はアメリカへ行って、オバマ大統領とその他、こう、いろいろと話して帰ってきているわけですよね」

近藤「野田さん…はアメリカに行って、オバマ大統領とその他、こう、いろいろと話して帰ってきているわけですよね」

▼これが再稼動への脅しの最終形態か? アメリカが再稼働しろと脅してきたから再稼動しよう! と主張する日本経済新聞 :ざまあみやがれい! メールマガジン


小出「はい」

近藤「で…ここまで僕あの、逆戻りするとは思ってなかったんだけど。アメリカ側から見てね、日本のこの原発再稼動っていうのは、極めてOKであるっていう説明っていうのはつきますか」

小出「そうだと思います。要するに日本というのは」

近藤「うん」

小出「米国から手取り足取り教えてもらってきたわけですし。米国が日本に原子力を売り込んで利益を吸い上げてきたという、そういう関係ですので。これからも日本が原子力をすすめるということは米国は金儲けができるということですから。やらせたい、のだろうと思います。」

近藤「うん。僕は一番言うことを聞くのは、民主党政権自民党よりもアメリカだと思ってるんですけどね」

小出「はい」

近藤「う…沖縄の対応見たって皆そうなんだけど」

小出「はい。そうでしたね」

近藤「なるほど。わかりました」

小出「はい」

水野「今のじゃあ、裏返しに言うと、再稼動は極めてOKというアメリカは、最稼働しなければ極めてNGっていうことですかね」

小出「そうですね。日本で原子力が潰れるようなことになれば、日本から吸い上げてきた原子力関連の利益というものが失われるということになります」

近藤「つまりあの…80キロ圏内でバタバタバタバタアメリカもしてたわけですよね」

小出「そうですよね」

近藤「で、しかしそういうことは覚えてるわけだけど。」

小出「はい」

近藤「要するに、すべてアメリカも、なんちゅうか経済の原則っていうか、金儲けの形で動いていると」

小出「はい。まあ私より近藤さんのほうがこういうことはよく、ご覧になってるんだと思いますが。今の世界はどうも、カネが、最高の価値、を決める基準になっているように思い…」

近藤「いやあほんとそう思いますねえ。」

小出「はい」

近藤「僕は政治、よりやっぱ経済が、すべてを動かしてるなってことが、ほんとうになんか最近よく、感じるんです」

小出「はい」

近藤「うーん。」

水野「小出さんは野田総理のあの時の再稼動を説明する会見」

▼「大飯再稼働すべき」総理会見ノーカット1/4(12/06/08)



小出「はい(苦笑)」

水野「をお聞きになっていかがでしたか」

小出「え…国民の生活を守るためだというようなことを野田さんが言ったのですけど。余計なお世話だと私は思いました。」

水野「うん」

近藤「あの…先生」

小出「はい」

近藤「あの福島の原発のようなことが起きても、ああ、地震のようなことが起きても津波が起きても」

小出「はい」

近藤「大丈夫だっていう、ことを自信たっぷりに言ったんですよ」

小出「はい」

近藤「で、ぼくはもうその、なんていうんでしょうねえ。その神経がわからないんだけど」

小出「私もです」

近藤「あの…ようするに、その生活を守るっていう以前に、生命を守るっていう観点が必要ですよね」

小出「そうです」

近藤「だから生命を守るっていうことについての言葉が1つもないわけでね。うーん」

水野「生命を守るって、いうたら、小出さんどうなんですか。だって、あの、もう、福島のようなことがあっても大丈夫だと、安全は確認されていますって野田総理はおっしゃいましたよね」

小出「はい」

水野「これは科学的に言うと、なんか意味がある言葉なのでしょうか」

小出「…全く意味のない言葉です」

水野「…あぁ(苦笑)」

小出「彼らは、福島事故が起きるまでも、すべての原子力発電所は、安全で事故は起こさないと言ってきたんですね。」

水野「ああ、そうか」

小出「ところが事実として起きてしまっている、のです」

水野「はい」

小出「どんなに廃炉しようと予想をしてあれこれ手を尽くそうと、やはり事故というものはいつか起きると思っておかなければいけないと。いうことを今度の事故が教えてくれたんです。それから何の教訓も学ばないというのは、ほんとうに困った人たちだと、思います」

近藤「あの…再稼動反対は精神論だというような意味のことも言ったんですよ」

小出「そうみたいですね、はい」

近藤「僕はその精神論っていうのは、それこそ安全神話イコール精神論でね」

小出「そのとおりです」

近藤「うーん…。まあ…ね…。」

小出「(苦笑)」

水野「はい。ため息が思わず」

小出「はい」

水野「小出さんから漏れました」

小出「はい」

水野「どうもありがとうございました」

小出「ありがとうございました」

水野「京都大学原子炉実験所助教小出裕章さんに伺いました」

『(民生用原子力協力に関する二国間委員会)
日米両国は,2011年3月の日本の原子力事故の後の日米間の緊密な協力を基盤として,民生用原子力協力に関するハイレベルの二国間委員会を設置し,この分野での協力を更に強化する。
同委員会は,民生用原子力エネルギーの安全かつ安心な実施並びに廃炉及び除染といった事故への対応に関連する包括的な戦略的対話及び共同の活動を促進する。

同委員会は,原子力エネルギー,原子力安全,核セキュリティ,環境管理,核不拡散を含む諸分野において,より強固な研究開発交流を調整する。同委員会は, 原子力研究開発分野における協力に関する2012年3月の合意を基盤とし,2012年の核セキュリティ・サミットにおける両国のコミットメントを支えてい く。

同委員会の初会合が,双方に都合の良い最も早い日に開催されることが期待される。日米両国は,本年12月に日本がIAEAとの共催により開催する原子力安全に関する福島閣僚会議の成功のために協力する。 』
=====(引用ここまで)

国内では脱原発を唱え、同時にアメリカとの間では、「日米協力イニシアチブ」を結び、「強固な研究開発交流を調整」するというわけだ。

これについて、昨日2012年5月27日の日本経済新聞の朝刊にコラムが掲載されていた。

▼「けいざい解読 日米エネルギー連携 険しい道 天然ガス 渦巻く政治」

日本経済新聞の論調はこういうものだ。


原子力発電の復興を軸に両国の協調関係を深めようとのうねりが生じている』


『イニシアチブの目玉は福島第一原発の除染や研究開発を手がける「2国間委員会」の設置だ。背景には、米国の極めて強い働きかけがある』


『「いかなる形でも支援する容易がある」。米エネルギー省(DOE)などは日本当局に、ほぼ全面停止状態に陥った原発の再稼働に向け、技術や人的支援の大幅な拡大を打診。再稼動に絡み、関係閣僚と地元自治体の折衝などを抱え慎重な日本の背中を押した』


日立製作所ゼネラル・エレクトリック(GE)など複数の日米原子力連合が形成され、アメリカの輸出と国内雇用を大きく左右しかねない事情もある』


『「東京電力に過重な補償責任を負わせれば、原発ビジネスが立ち行かなくなるのでは」。日本当局筋は複数のアメリカ政府高官に責められた。日本の原発が衰退すればアメリカも共倒れになる相互依存の構図で、イニシアチブはアメリカの焦りの裏返しでもある』

かなり激しい表現で、アメリカからの圧力を紹介している。

とにかくアメリカがマジになってきたから再稼動したほうがよいのではないか、という論調だ。

更に別の側面からも報じている。


『一方、日本側の要請にもかかわらず、今回のイニシアチブでは明記されなかった項目がある。アメリカから日本への天然ガス輸出の解禁だ』

として、アメリカからの天然ガス輸入は難しいという論調となっている。これはコラムは直接そういう趣旨は述べていないが、アメリカは安価な天然ガスの輸出 を拒みながら、原発再稼動の後押しをしてきた、という言外の意味が込められているのではないか(込められていないかもしれないけれども)。

とはいえ日本は現在、カナダやオーストラリア、あるいは北カスピ海において天然ガス権益を手に入れている。ただしこれらの権益が実際に日本のために役立てられるのは少なくとも数年以上かかる。

例えば従来の重油を動力源とする船にかわる天然ガス船の実用化も2015年だ。こういったことがどれだけ現実になるかは分からないが、産業界の一部が価格が高い石油から天然ガスへとエネルギーシフトしようとしているのは事実だ。

天然ガス利権が拡大するということは、ガス火力の価格が下がることも示唆している。

そういう意味ではやはり今後数年間をどう過ごすかということが日本のエネルギー業界の命題でもあるのではないか。