オプション

この日は参加者一人のオプション参加ということで正直言うとどうしようかと困っていた。
現地のガイドを紹介されて驚いた。女性だとは聞いていたが、まだ全然若い。大学生ぐらいじゃないか!
ルックスについては茶髪のイマドキの女の子。若槻千夏が一番イメージに近い。凄いカワイイというわけではないけどブスというほどでもない。ただやはり日本人の顔とはちょっと違う気がする。あの大食いのギャル曽根にも似ている。足して2で割った感じか??


昨日までのガイドのおじさんが僕の姿を発見して、それからこの子とご対面という感じだ。ニヤニヤ笑いながら、「若い、美人よ〜楽しんでらっしゃい」と言われる。こちらもハッハッハッハッだ。


運転手のおじさんはサングラスをしている。どこの国でもそうなのか。車が走り出し、女の子が僕らが持っている日程表と同じものを出してこれからまずは万里の長上に行きますと喋りだす。今日のスケジュールをおおまかに説明した後、夜はどうする?と聞かれる。昨日のガイドのおじさんもそうだが、こっちのHISでは当日になって独自にオプションをつけるもんなのか。てっきりあのオヤジが独自でやっているもんだと思っていたが。。この子もそうというものでもあるまい。HIS北京が日本から離れて好き放題やっているのか?!


夜は雑技とかどう?とタメ口で聞いてくるので昨日見たと回答。じゃカンフーは?と言ってチラシを見せてくる。う〜ん困ったな。このままだと押し切られそうだとか思いつつ、翌朝が5時にフロントに集合なのを思い出し、「4時起床なのであんま夜遅いのは無理。夜はツアーの人たちと夕飯食べに行くし」と答えると、「ぇえ〜4時!」と向こうも驚いたような感じ。「じゃ、北京動物園は?」「いや、興味ないし」「じゃ、頤和園は?」「・・・、いくらぐらいなの?」みたいなやりとりが続き、頤和園に340元で行くことにした。オプションのオプションだ。JTBではなかった形式だ。それでもまぁ、現地のやつらも潤うからいいかと考え出したんだ。


本日のコースはまず頤和園(いわえん)に向かった後、万里の長城、そして昼食。最後に明の十三稜、お土産店というコースだ。何でいわえんにしたかと言うと、他のツアー客がオプションで行くと聞いていたからだ。


ガイドの子が運転手の助手席。自分は後ろにデーンと陣取る。ガイドの子が後ろを向いて一生懸命話しかけてくる。いろいろ聞かれたし聞いた。お客さんの年齢は?もっと若く見えたとか。日本人は旅行好きね。人口の割には旅行する人が多いとか。ハルビン出身で大学では日本語を学んでいたこと。彼女の日本語は流暢というのにはほど遠いが一応言っていることは分かる。ただ、何を言っているのか分からないときは筆談になる。同じ漢字を使っている強みですよ。吉林省を日本語では「きつりんしょう」と読むこと。地方から都会に出てきた人のことを「上京してきた人」などとか日本語のレクチャーの時間にすっかりなった。


ただ、日本人とは違うな〜〜と感じたのは彼女、ずーっとこちらの目を見てしゃべっているんだよね。日本人とは違って目をそらさない。まったく。本当に、じーーーーーっと見てくる。さらに顔と顔との距離が異様に近いんだよね。フツーの日本人の女の子だったらぜったいにこんなに近づかないだろというくらいまで接近してくる、接近してくる、そりゃもうありえないぐらいに。おかげで彼女の顔がよくチェックできた。


鼻はあまり高くない。目は一重。眉は髪に隠れて見えず、微妙にメイクが日本人とは異なる。ただ眉カットはしているな。肌は若く大学生ぐらいか。鼻毛が見えているのがチョットな。口の上の産毛は日本の子だったらかみそりで剃るんだろうなぁとか思う。髪の色は一昔前の矢口真理。あるいは、ギャル曽根みたいなまっ茶色。携帯の着信音はドラえもんのタイトル表示の効果音(ちゃちゃちゃ、ちゃんちゃんちゃ〜ん)。


そうこうしているうちにイワエンに到着。運転手はどうするのかな〜と思っているとやはりこのガイドの子と自分と2人だけで行くようだ。すかさず、女の子がチケットを購入。イワエン自体は30元ほどで入場できるようだ。
ひょっとしてガイドむちゃ高い?失敗した?


そう思ったがまぁ、これで現地のHISも利益を出しているんだろうと思い、中に入ってみることに。
第一印象。日本の寺とあんまり変わらない。まぁそりゃそうだろ、大陸から朝鮮半島を伝わってきたものだしな。しっぽはライオン、角はシカ、顔はドラゴンという伝説上の動物の像が置いてあった。


正面の寺の中には王様がいたようだ。玉座の横には鶴の彫刻が。そして横には暑いときにあおぐ孔雀の扇が立てかけてあった。家来の者がそれを使っていたようだ。


境内をくぐると、そこには王様が食事を取るところ、国王が王子を監禁した場所などが書いてある。周りを見渡してみると日本人はまったくおらず、中国人、続いて韓国人の団体客が多い。9割以上がそんな感じで凄い迫力。


さらに山門をくぐるとそこには正面には広大な湖が広がっていた。このイワエンの4分の3が湖なのだそうで、湖の真ん中には島がぽっかりと浮かんでいる。そこに渡る橋もありキレイだ。この湖に沿ってグルッとあたりを散策できるように回廊みたいな廊下が出来ているのでここを渡る。気のせいか、石で出来ているためかひんやりして涼しい。ここで記念写真を撮影してもらう。右手に大きな山と言うか丘みたいなものが見えてきた。何でもこの湖は人工のものだそうでここを掘った際に出来たドロを積み上げた山なのだそうだ。昨日は万里の長城(女坂のほう)でかなり苦しい思いをしたのだが、それよりも坂自体はきついよということであった。無論、今回はそれには登らない。



『おぉ!こういうのが見たかった!』素晴らしい!いかにも中国というべきか、日本じゃまず見られないなというシロモノに出会った。何とこのおじいさん、タイル上の床石に水を使って筆で文字を書いているのだ。腰にポリタンクのようなものをぶら下げ、そこからチューブで水を吸い取り筆に水がいくような仕組みになっている。僕があまりにも水で書くなんて凄い凄いと言っていると、「どして??水で書けばお金がかからないし、すぐ消える」との彼女の答え。そりゃそうなんだけだけど、世界中どこに行っても見られるような西洋化されたビルなんか見ているよりもより中国っぽくてハイテンションになるよ。




太極拳を踊る中年のおばさんたち

↑これが渡り廊下

↑湖を掘った時に出来た土で作った山


その後、トイレに立ち寄り。ガイドさんには待っていてもらった。湖をバックに写真を撮ってもらったが顔が真っ黒になってしまったのでここには掲載しません。何が起きてもビクともしない浮沈の船であることをあらわす、石船などを見てまたクルマに戻ってきた。顔的には美人というわけではないんだけど、日本ではこんなに若いガイドさんが密着してこないこともあって濡れてきたりして。肩と肩が触れ合うというレベルではなく、完全に恋人みたいな感じで体をくっつけて歩いていた。まるで気分はデート気分だ。


フー、疲れた!というわけで今度は万里の長城に向かう。



万里の長城


はい、ガイドの女の子に撮ってもらいました。違う場所だと期待していたのですが、昨日と同じ場所でした。万里の長城の下に動物園があるんだけど、そこを通過して初めて気づきました。昨日と違って一番奥まで車で登っていきました。前日、集合した場所のさらに奥まで。昨日は女坂(左の方)を登ったので、今日は男坂


普段はガイドは下で待っているそうですが、『お客さんは一人だから淋しいと思って一緒に』となかなかかわいいことを言う。昨日も思ったことだが、きついなんてもんを通り越してかなり危険な坂である。昨日の女坂は平均傾斜が40度くらいでしたが、今日は50度。一番きつい場所だと60度はある。うっかり足を滑らせようものなら下にまっさかさまで大怪我する。いやマジで。現地の小学生が集団で遠足に来ていた。韓国人っぽい若い男の子が女の子をおんぶしながら上から駆け下りてきた。思わず目と目が合い、言葉がわからないながらも笑ってしまった。ガイドの子も一緒に。白人男性とすれ違ったときもハロー!とか声をかけられた。どこか温和な感じの人だった。言葉がわからないながらもお互いの人となりがわかるんだろうな。白人のおばさんが足を滑らせて転びそうになったときに、僕が支えになって何とか体制を立て直していた。。センキューとか言われたけど。言葉が通じないながらも、まぁ何とか分かるもんだな。。。


行きはガイドの女の子とずっと喋っていた。内容は・・。
ハルビンはマイナス40度まで下がること。アパートは北京の東北にあること。そこから朝5時起きでバスと地下鉄を乗り継いできたこと。地下鉄は便利なこと。北京の街は北が高級。南があまり開発されていないという意識があること。色の黒い男が好きなこと。自分もお金を貯めて日焼けサロンに行く金を貯めていること。年齢を聞かれたので鯖を読んで80年生まれの27歳としておいた(爆)。この子は84年生まれと言っていたから今年で24歳。本当に大学出たてだな。でも、大学4年間でこれだけ日本語を話せるのは凄いかも。27歳だったら絶対、私の出身地では結婚していると言われる。何歳ぐらいで日本人は結婚する?と聞かれたので、東京だと30才〜35歳と答える。北京などの大都市だと最近もそうらしい。帰りの茶屋のおばさんも30才で結婚と言ってた。
はっきり言えば彼女の日本語はこちらが想像力をかなり豊かにしないと意味不明な部分が多かったのだが、こういう世間話的な話になるとけっこうマシになってくる。


何で日本語を学んだの?という質問には昔のことなんで何でだか忘れちゃった?と無難な回答をしていた。おそらく金になるとにらんでいたんだろうね。。。ま、賢明な選択だと思うよ。


こんな他愛もないことをペラペラとしゃべっていたら、何と終点にたどり着きましたよ。昨日、女坂を登ったときはうるさかった物売りのおじさんおばさんたちも今日は何も言ってこなかった。なぜかと言うと、彼女と密着しながらペラペラと話していたために現地で結婚している人間だと思ったんだろう。ただ、終点の場所にたむろしていたおじさんたちはしつこかった。何でかというと、まず、男坂に来る人は圧倒的に少ないのよ。9:1くらいの確立で左の女坂に行ってしまう。だからこっちはガラガラ。しかも途中で諦めてしまう人が多いらしい。だから勧誘がしつこい。トントンと体を触られたけど、「ノーセンキュー」を連発。しまいにはおじさんも笑い出し、僕も笑い出しガイドの子も笑い出し、中国語で説明し、事なきを得ました。まぁ、別に物が確かなら買ってもいいんだけど、ただのプレートだしな。


終点まで行ったというのは感慨物であった。お客さん凄いよと言われる。アメリカ人なみだって。いろんな国の人が来るけど、アメリカ人が一番元気でパワフルなんだって。そうだろうね、あのガタイだもん。


このおみやげを売っているおじさんたちは色が真っ黒。毎日ここにいるから日焼けするんだろうね。慣れたもんで手すりと壁のあいだに体を固定させ寝そべっている。あるいは寝っころがりながらやる気のなさそうにのんびりと笛を吹いている笛吹きのおじさんなど。白人男性がその姿を見て吹き出していた。


慣れた人には大したことがないようでもこのグレートウォール。登るときより降りるときのほうが危険です。現にガイドさんにも言われた。手すりなしでは大怪我しかねない。現に監視カメラがついており、事件事故がないようにしている。非常なときには電話連絡も可能です。途中、何度か転げ落ちそうになり、ガイドの子も事故がないように僕の体を支えたり、こっちの手すりを持つように言ってくれたりと役目を果たしていた。帰り道は疲れと道の険しさに機を取られていたこともあり口数が少なめに。おなかがすいた。水が飲みたいとアピール。本当は成田で2本買ったアクエリアスの残りが1本あるんだけど、切り札用に取っておきたかったんだ。水とかかばんに持ってないの?と聞かれ、うんと頷く。


そのまま、下まで降りまずはトイレに。ガイドの子もトイレに。売店で水を買いたかったが、また5元のものを20元とかふっかけられるのも嫌なのでやめた。トイレの中ではけっこう日本人が多かった。


クルマに乗って今度はレストランへ。クルマの中で水5元で売っているけどどうする?と聞かれすかさず購入。ゴクゴクと飲み干す。あぁ、水はうまい。でも、あまいものが欲しかったので、アクエリアスの残りをここで飲み干す。ガイドの目をかすめて。わかったかもしれないが。


逆車線がいやに混んでいる。事故があったらしい。これに巻き込まれたら、この後のスケジュール全部ダメよと言われよかったねと言われる。



クルマは都心に向かい、その後都心を抜けた郊外に。地図で言うと北京の東北部郊外なのかな>?また昨日来たレストランだ。あの2Fがレストランで1Fがおみやげ物屋とつぼ焼きの製造場所のヤツ。ここで14時半まで一人で食べる。中華によくある回転テーブルじゃなしに4人がけを1人で使用。横のテーブルには中国おばさん一人。はるか向こうには日本人のツアー客も2テーブル。時間がずれていることもあり、途中からは完全に一人に。片づけが始まってしまった。別に気にせず食っていると何気に店員がチラチラとこちらを見てくる。その後あまりおいしいとは言えなかった食事を食べ終わり、1Fに向かう階段をだった一段食べ降りたとたん、2Fの電気がドーンというにぶい音とともに完全に消えました。ちょっと怖かった。


その後、14時半になっても待ち合わせ場所の階段下になかなか現れないガイドの女の子を発見し、クルマに戻る。なかなか現れないんで駐車場までうろうろしちゃった。


これから、さらに北の方角に向かい、明の十三稜に行く。